あなたの「推しジンバル」はどっち?DJI RS 3 と DJI RS 3 Pro を比較してみた。
こんにちは。DJI CAMPインストラクターの池田です。
近ごろ「タワーマンション高層階にありそうな家電」を探すのがマイブームです。たとえばバーミキュラのライスポット(炊飯器:およそ10万円)や、パナソニックのキューブル(ドラム式洗濯機:およそ40万円)がその一例です。すべてを揃えると破産しそうなので、手始めにデロンギの可愛らしいマスタード色の電気ケトルを購入しました。こちらは1万円ほどで購入でき、お湯を沸かすのが楽しくなるので大変おすすめです。
さて今回は、一眼レフカメラやシネマカメラで撮る滑らか動画に欠かせない最新のジンバルスタビライザー DJI RS 3 シリーズ についての特集です。皆さん、DJI RS 3 と DJI RS 3 Pro の違い、しっかり理解できていますか?
デザインも一新されて、見た目も瓜二つなこの2台。どちらを買うか悩んでいらっしゃるお客様も多いのではないのでしょうか。
なお、既に DJI RS 3 シリーズをお持ちで、使い方に関してお悩みの方はこちらの記事をご覧ください。
カメラスタビライザー DJI RS 3 の初期設定って?
初心者向けにアクティベーション方法を伝授します
DJI RS 3 の使い方講座、その1。
「バランス調整」をマスターせよ。
RS 3 シリーズの基本スペックをおさらい
まずは、基本スペックを見ておきましょう。あわせて対応カメラ一覧表も確認しておいてくださいね。
DJI RS 3
機材名 | DJI RS 3 |
価格 | 税込72,600円(コンボは税込87,120円) |
ペイロード | 3㎏ |
動作時間 | 12時間 |
充電時間 | 2.5時間 |
重量 | 約1,480g(延長用グリップ/三脚、クイックリリースプレート含む) |
大きさ | 収納時 254×230×68 mm (長さ×幅×高さ。カメラと延長用グリップ/三脚を除く) 展開時 364×187×170 mm (長さ×幅×高さ。高さはグリップ含み、延長用グリップ/三脚は除く) |
DJI RS 3 Pro
機材名 | DJI RS 3 Pro |
価格 | 税込108,900円(コンボは税込135,520円) |
ペイロード | 4.5㎏ |
動作時間 | 12時間 |
充電時間 | 1.5時間 |
重量 | 約1,741g(三脚無しは約1,515g) |
大きさ | 収納時 268×276×68 mm (長さ×幅×高さ。カメラと延長用グリップ/三脚を除く) 展開時 415×218×195 mm (長さ×幅×高さ。高さはグリップ含み、延長用グリップ/三脚は除く) |
スペックで比べるとペイロード重視の方は DJI RS 3 Pro、価格重視の方は DJI RS 3 が良さそうですね。
※DJI RS 3/RS 3 Pro は、2022年10月1日に価格改定を致しました。
デザインについて
どちらも黒と赤のカッコ良さに全振りしたような、スタイリッシュなデザインです。遠目に見る分には、見分けがつかない方も多いかもしれません。私も実物を確認するまでは苦労しました。
では DJI RS 3 の細部デザインから見てみましょう。撮影機材に合わせるこの「赤ライン」、ハイスペック感が漂ってたまりませんよね。CanonのLレンズとのデザイン相性も良さそうです。
続いて、DJI RS 3 Pro のデザインです。DJI RS 3 は金属製なのに対し、DJI RS 3 Pro はアームにカーボンファイバーを使っています。私は国内自動車レースの最高峰 Super GTの大ファンなので、レース車両にも使われるカーボン製のパーツを見ると、ついエキゾースト音を思い出してニヤニヤしてしまいます。最近の推しはGT500クラスの MOTUL AUTECH GT-R です。
お次はジンバルの要、アームの長さを見てみましょう。まずは DJI RS 3 のアーム調整幅です。
チルト軸アームは50㎜、ロール軸アーム 50㎜、パン軸アーム 50㎜の調整幅があります。
次に、DJI RS 3 Pro の調整幅です。今回 DJI RS 3 Pro はアームが長くなり、調整幅がより広くなりました。(カーボンの素材感もよくわかりますね)
チルト軸アームは70㎜、ロール軸アーム 80㎜、パン軸アーム 70㎜の調整幅があります。
上の違いで分かる通り、DJI RS 3 Pro のほうがバランス調整に使えるアーム調整幅が広いですね。これによって、より大きく重いカメラでも余裕を持ってバランス調整できるという仕組みになります。
使えるアクセサリーの違いは?
実は DJI RS 3 と DJI RS 3 Pro は、一部に「どちらかにしか使えないアクセサリー」が存在します。ややこしいので、両方に使えるアクセサリーを2種類を先に紹介します。
DJI R ツイストグリップ デュアルハンドル[RS 3/RS 3 Pro]
DJI認定ストア東京虎ノ門では人気No.1のアクセサリーで、価格は税込 13,530円です。総重量は増してしまいますが、持ち方を変えることで負担が軽減される感じがして、筆者は非常に気に入っています。両手で持ってより安定させたり、ブリーフケースモードでローアングルから撮影したりと、長時間の撮影現場でも活躍します。
DJI RS ブリーフケース ハンドル[RS 3/RS 3 Pro]
NATOポートに取り付けできる小型のハンドルで、価格は税込 6,160円です。上述の DJI R ツイストグリップ デュアルハンドル からブリーフケースモード機能だけを取り出して価格を抑えたような製品です。ローアングルからの撮影が多い人や機動性が求められる撮影現場におすすめです。
次に、RS 3 Pro だけで使えるアクセサリーの一例です。RS 3 には使えませんのでご注意ください。
DJI LiDAR レンジファインダー(RS)[RS 3 Pro のみ]
別売りのフォーカスモーター(コンボには付属)と連携させることで、MFレンズをAF化できる魔法のようなアイテムです。価格は税込 68,200円で、フォーカスリングの始点・終点が決まっているレンズに適しています。
DJI Ronin テザー制御ハンドル[RS 3 Pro のみ]
有線接続で DJI RS 3 Pro を遠隔操作できるハンドルです。価格は税込 37,180円。RS 3 Pro と合わせて先述のDJI Rツイストグリップデュアルハンドルと併用することもできますよ。NATOポートに通電用のピンが付いていない DJI RS 3 では使えません。
「コンボ」って何?
DJI RS 3、DJI RS 3 Pro にはそれぞれ「コンボ」と呼ばれるセットがあります。基本的にはフォーカスモーターが付属するか否かにより「コンボ」か「単品」かが決まります。マニュアルフォーカスのレンズを動画撮影で使いたい方や、「レンズのフォーカスを ジンバルから操作したい!」という方にはコンボセットがおすすめです。
DJI RS 3 の場合はコンボセットにフォーカスモーターだけでなく、キャリーケースが付属します。DJI RS 3 単品にはケースが付きませんので、運搬用のケースが欲しい方はコンボをお選びください。
また、Sony FX-6 のような大型のカメラを使いたいお客様には、DJI RS 3 Pro コンボがおすすめです。というかそれ以外の選択肢がないと言っても過言ではありません。その理由ですが、大型カメラの場合は DJI RS 3 Pro コンボにだけついてくる「下部クイックリリース プレート(延長用)」が必要だからです。これを使うことでチルト軸の調整に余裕ができますので、スーパーヘビー級のカメラをお持ちの方はコンボセットの購入を考えてみてください。
で、結局どっちがいいの?
それぞれに特徴がある DJI RS 3/DJI RS 3 Pro ですが、ほとんどのユーザーさんは 3㎏以上のペイロードになることが考えにくいので、価格的にもカジュアルな DJI RS 3 がおすすめです。とくに Sony α7シリーズなどをお使いの方にピッタリのジンバルと言えるでしょう。Black Magic Designや、Canon EOS-1DXシリーズなどをお使いの方はカメラ自体の重量が大きいので、余裕のある DJI RS 3 Pro を選ぶ方が得策です。
また、先述の通り DJI RS 3 Pro だけで使えるアクセサリー類があり、LiDARレンジファインダー、映像トランスミッター、テザー制御ハンドル、拡張ベースキットなどを使ってバチバチに映像を仕上げたい方はご注意ください。うっかり DJI RS 3 を購入してしまうとこれらを使うことができません。必ず DJI RS 3 Pro を選んでくださいね。
ジンバルの導入相談はコチラ!
いかがでしたでしょうか。つい熱くなって3,000文字を超える超大作コンテンツになってしまいましたが、人気の2機種についてそれぞれの魅力や特徴をお伝えできたかと思います。
DJI認定ストア 東京虎ノ門/福岡博多 では、RS 3 シリーズの実機展示・販売を行っておりますのでぜひお立ち寄りください。実際にご自身のカメラをセットして、RS 3シリーズをお試しいただくこともできますよ。
ご来店お待ちしております!