ドローン空撮が生んだ映像伝送システム DJI Transmission とは?[初期設定編]
こんにちは、セキドの村田です。
発売直後より、映像撮影関連の方から多くの問合せを頂く「DJI Transmission(ディージェーアイ トランスミッション)」。DJI初の映像伝送に特化した製品という事で、「どんな製品で何ができるんだろう?」とか「購入を検討してるけど、設定や使用方法が複雑そうで心配……」と思われている方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな DJI Transmission の気になるポイントの紹介と、購入後に行う初期設定の方法までを詳しく解説していきます。
DJI Transmission とは?
DJIのドローン開発で培われた空撮用の映像伝送技術をもとに生まれた、映像レシーバーとモニター、コントローラー、レコーダーを組み合わせた、映像業界に革新をもたらす一体型ソリューションシステムです。
DJI Transmission を使うと、カメラが映す映像を複数のモニターで共有したり、モニター側から遠隔で RS 3 Pro をはじめとする RONINシリーズのジンバル操作やフォーカス調整、設定変更などが可能です。ただ離れた場所から映像を確認するだけでない、多岐に渡る作業を簡単にワイヤレスで行うことができるシステムとなります。
伝送距離はなんと最大4 Km!これも DJIのドローン製品で培われた独自の通信方式を採用しているからこその強みで、圧倒的な長距離通信を可能にしています。従来の撮影現場での配線作業の煩わしさや設定の煩雑さから解放され、脅威の伝送距離と拡張性能まで兼ね揃えた、まさに新世代の映像伝送システムです。
すでにご覧になった方も多いかと思いますが、改めてその機能と独創性がわかりやすく確認できる紹介動画も合わせてご覧ください。
さて、それではここからは、気になる製品詳細を実機レビューと購入直後に行う初期設定を元に紹介していきます。
セット内容の確認
専用のハードケースを開けると、まず真っ先に本製品の要でもあるトランスミッターと高輝度遠隔モニターが目に入ります。ハードケース内はしっかりと機器が収まるよう作られており、持ち運びの際も神経質にならずに済みますね。
セット内容は、映像トランスミッターとレシーバーを内蔵した高輝度遠隔モニターのほかに、モニターフード、バッテリー、充電器、ケーブル類が付属。
トランスミッターは、HDMI・SDIの入力ポートとSDIの出力ポートを備えています。電源はバッテリー駆動のほか、付属のケーブルで RS 3 Pro からの電源供給にも対応。セットに付属のジンバル取付プレートで RS 3 Pro にしっかりと装着が可能です。
高輝度遠隔モニターはフルHDかつ1500ニトの高輝度で、現場での視認性も確保。モニタリング用としては十二分なスペックを誇ります。電源は標準仕様でバッテリー駆動のみに対応。
サイドには、電源ボタンとハンドグリップコンボが接続可能な端子が見えます。反対側にはモニターでの録画時に使用する MicroSDが装着可能なスロットもあります。
モニターから外部への映像出力には別売の「遠隔モニター拡張プレート」が必要。装着する事で HDMI/SDIのでの外部出力とバッテリー以外の外部からの電源供給も可能になります。
モニター背面の接続ポートへ実際に組み込んだ様子
バッテリーの充電
同梱品の確認が終わったら、これから必要なアクティベートと初期設定の為に充電をしていきます。セットには専用の充電器とバッテリーのほか、SONY NP-Fタイプのバッテリーに対応する為のアダプターも付属。
充電ハブにバッテリーをセットしたら充電開始!充電は容量が多い順から1個ずつ自動で充電されていきます。充電器のLEDが点滅から点灯に切り替わったら充電完了。
アップデートやアクティベーションの最中にバッテリー切れを起こすとトラブルの原因になりますので、「早く電源を入れてみたい…!」と、はやる気持ちを抑えつつ、ここはしっかり充電完了まで待ちましょう。
PC に DJI Assistant 2 をインストール
バッテリーの充電を待つ間に、アクティベーションとアップデートに必要な「DJI Assistant 2(Ronin Series)」をPCへインストールしましょう。ソフトはDJI公式サイトから、お持ちのPCのOSに合わせてダウンロードしてください。
また、DJI Transmissionの初期設定には DJIアカウントが必要となります。新たに作成する場合は、DJI公式サイト から簡単に作成が可能です。
DJI Transmission の初期設定
映像トランスミッターの設定
事前の準備が済んだら、次はいよいよバッテリーをセットして起動してみましょう。映像トランスミッターは電源ボタン長押しで起動が始まりますが、ファンが回り始めてから画面の点灯まで多少時間がかかりますので、焦らず待ちます。
無事に起動が確認できたら、初期設定に移りましょう。
DJI Assistant2 を起動させたPCとトランスミッターを、付属のUSBケーブルで接続します。
アプリケーションの初回起動時は下記の様な流れになります。
DJIアカウントでログインを実行し、接続中の「DJI Video Transmitter」を選択するとアップデートを促されます。アップデートは一番上が最新となります。古い物から順に導入でも構いませんが、最新を選択し、促された場合のみ指定された過去のアップデートを導入するのが一番時間が掛からない方法でオススメです!
一番上のアップデートに「現在のバージョン」が表示されると最新のファームウェアに更新が完了した状態です。
アップデートが完了すると、自動的にDJIアカウントと製品の紐づけを行うアクティベーションに進んでいきます。
以上の作業で、ビデオトランスミッター側の初期設定は終了です。
高輝度遠隔モニターの設定
続けて高輝度遠隔モニター側でも設定を行っていきましょう。先程同様に、モニターの電源を入れて「DJI Assistant 2」を起動したPCと接続します。
画面左上のボタンで製品選択画面へ戻り、接続中の「High Bright Remote Monitor」を選択します。
続けて、先程同様にアップデートを進めてください。
アップデートが完了したら、左上のボタンで製品選択画面へ戻るとアクティベーションへ進んでいきます。画面内容に従って進めていただくと、アクティベーション完了です!
トランスミッターとモニターの接続
初期設定、おつかれさまです。設定が完了したトランスミッターと高輝度遠隔モニターは、電源を入れると「白・赤・青……」のいわゆるテストモードの様な画面が表示されます。ここからは、実際に RS 3 Pro に接続して、映像の確認まで進めてみましょう。
トランスミッターを RS 3 Pro に装着
まずはトランスミッターにジンバル取付用プレートを装着し RS 3 Pro に固定。USB-C-LEMO 電源ケーブルを使用し、RS 3 Pro のジンバル部分のUSB端子と接続します。
3つ有る USB-C端子の下二つのどちらかに接続
接続すると電源がジンバル側から供給される為、バッテリーは取り外しても大丈夫です。
電源端子をトランスミッターのDC-INに接続
次はカメラとトランスミッターを接続していきます。今回使用するカメラにはマイクロHDMI端子が付いているので、マイクロHDMI → HDMIのケーブルで接続。ちなみにケーブルは別売ですので市販の物を使用しています。
接続が無事に完了すると、映像の転送が自動的に開始されます。ここまで来ればホッと一安心です。
高輝度モニターは視認性も良く、現場で使用する際に見づらい……なんて事もなさそうですね。
いかがでしたでしょうか。
難解な初期設定や複雑な項目も無く、意外なほど簡単に初期設定が完了しました。DJI製品特有のアクティベート作業などもありますが、初心者の方でも分かりやすく作業が進められると思います。
長くなってしまったので、その他オプション品との接続や、操作方法などは別コンテンツにてご紹介する予定です。
DJI Transmission を購入するには?
今回ご紹介した商品の詳細/購入はこちら!DJI Transmission 317,460円(税込)
モニターの電源供給や外部出力が必要な方はこちらもDJI 遠隔モニター 拡張プレート(SDI/HDMI/DC-IN)
46,200円(税込)
DJI Transmission は、DJI認定ストア 東京虎ノ門 でも展示・販売を行っておりますので、実際にその機能を確認したい方はお気軽にお立ち寄りください!