産業機マスターにオレはなる!Matrice 300 RTK って何がスゴいの?他との違いは?分かりやすく解説します
こんにちは。DJIインストラクターの池田です。
産業用ドローン Matrice 300 RTK がカッコ良くてめっちゃ好きなので、一緒に記念撮影をしてみました。自分もいつもよりイケメンに写っていると嬉しいです。
さて今回はそんな DJI Matrice 300 RTK(M300 RTK)について、超初心者向けに「ぶっちゃけ M300 RTK って、どんなものなの?ってか Mavic 3 とか Air 2S じゃだめなの?」という疑問に答えていく内容です。産業用ドローンについて、その特徴をざっくり知りたい方向けとなっております。
という私も、実は産業用ドローンについては最近まで知識がほとんどなかったため、記事の連載を重ねながら、みなさんと一緒に詳しくなっていけたらいいなぁと思っております。
「産業機マスターに、オレはなるっ!!」
……「いや、そもそもDJI製ドローンってどんな所がスゴいの?」という方はコチラをご覧ください。
初心者さん集合!DJIドローンって何ができるの?
DJIインストラクターが解説!
簡単に Matrice 300 RTK のスペックを教えて!
M300 RTK は2020年5月に発表された産業用ドローンです。発売からもうすぐ2年となりますが、今も最新機として最前線で活躍してくれています。
折りたたみ構造で6方向障害物センサー搭載、最大飛行時間55分、搭載カメラの交換が可能、と、これだけでも頼れる雰囲気が漂っていますね。しかも 15m/sの耐風性能を有する機体で、保護等級も IP45 で防水防塵構造になっているので悪天候の日でも安心です。
組み立てもとても簡単で、誰でもすぐできるようになっています。スタッフがやってみましたのでぜひ動画をご覧ください。
お値段は補償プラン Care Enterprise Basic を付帯させた場合、税込904,860円です。「価格や補償についてもっと詳しく知りたい!」という方はお問い合わせフォームからご連絡をお願いします。補償プランによってお値段が変わります。
M300 RTK を選ぶメリットは?
1. 厳しい環境でも飛行できる
一般的な DJIドローンの耐風性能は 5m/sまで、動作温度は 0~40℃です。
しかし、M300 RTK は違います。耐風性能は 15m/s、動作温度は -20~40℃です。風速 15mって、どんな風か想像つきますか?風速10メートルで、傘がひっくり返るほどの強さです。それより強い風にも耐えてくれます。これだけでレンジャー隊員のような屈強さが伺えますね。
しかも IP45 の保護等級ですので、水や粉塵にも強い作りになっています。ほかのモデルではなかなかこうはいきません。Mavic や Phantom といったシリーズでは、雨天はもちろん、霧の中を飛ぶことですら壊れるリスクがあります。M300 RTK なら悪天候の日にもしっかり頼らせてくれそうですね。
2. カメラ交換ができる
M300 RTK には、温度を可視化できる赤外線カメラ付きの Zenmuse H20T やレーザー測量機の Zenmuse L1、フルサイズセンサー搭載で4500万画素を誇る Zenmuse P1 など、対応しているカメラが複数あります。下の写真は Zenmuse H20T です。
たとえば Mavic 3 では可視光での撮影はできても、赤外線カメラを使いたいとなると機体に別途カメラを載せて改造申請をするか、Mavic 2 Enterprise Advanced など他の機体を購入しなければなりません。ですが M300 RTK なら機体はそのままでカメラだけを付け替えて、点検から測量へとすぐに用途を変えることができます。カメラ交換ができるのは INSPIREシリーズや MATRICEシリーズの特権です。
3. 2パイロット飛行ができる
1台のドローンに2台の送信機を接続することができます。つまり2名のパイロットで1台の機体を操縦できるということです。
たとえばパイロット2名で作業にあたるとき、1名は機体の操縦を、もう1名はカメラの角度調整を担うなどして役割分担をしたり、離れたところから安全確認をしながら作業を進めていったりと、特殊な使い方ができます。
4. ミッション飛行に対応している
「現場のオルソ画像を作りたい」「そこからさらに3Dモデル化したい」というみなさん。自動飛行でどんどん写真を撮ってきてくれるドローンの導入はいかがですか?Mavic 3 では難しい自動航行による等間隔での写真撮影ですが、M300 RTK ならそのお悩み、秒殺できます。
たとえば、こんな感じでプランを作成すると、、、
できあがるデータはこちらです。
自動飛行のミッションについて、詳しくはコチラの記事で紹介しておりますので、ぜひイメージを膨らませてみてください。
Matrice 300 RTK の
立面飛行ミッションプラン:実践編
5. 長時間のフライト業務もラクラク
バッテリーは2本1セットで使いますが、1セットでの最大飛行時間は55分です。余裕を持ったフライト時間を確保しているので、ミッション飛行中のバッテリー交換回数も少なくて済みます。しかもホットスワップに対応したバッテリーで、電源を切らずにバッテリー交換を行えますので、さらにサクサクと作業が進められるというベネフィットに富んだ設計となっています。
6. 真上の撮影もできる
追加のアクセサリを使うことで、カメラを機体の真上に設置することもできます。真上の撮影にはこちらの上方ジンバルコネクターが必要ですが、こんな使い方ができるのは DJI機の中でも M300 RTK だけです。
カメラを機体の真上に設置するメリットですが、橋脚の真下などを見ることができます。ほかの DJIドローンでは、チルト角が水平よりも上向きにはなるもののカメラを直上に向けることはできないので、「真上が見たいよ~!」という場合はコチラのアクセサリ導入がおすすめです。
なお、Mavicシリーズのチルト角についてはコチラの記事にて解説しております。ご興味のある方はご覧ください。
DJIドローンのカメラを上に向けたい!
どこまで向くの?設定方法は?
M300 RTK を選ぶデメリットってあるの?
1. 機体サイズが大きい
機体サイズはご覧の通り大きめとなっております。専用の収納ケースも7泊8日分のスーツケース並みの大きさがあるため、ひとりでサッと持って移動!というわけにはいきません。「よいしょ」って感じです。
対角ホイールベースは895㎜、専用バッテリー”TB60”を2本搭載した時の重さは約6,3kgと農薬散布機に近いサイズ感となっており、建物同士のすき間を縫って飛ぶようなフライトプランには向きません。
2. 予算も大きい
前述の通り、機体だけで約100万円とお高くなっております。まぁ、国産のドローンに比べたら費用対効果はバツグンにいいと思いますけどね・・・(小声)
カメラや充電器も別売のため、導入費用は250万円くらいになるパターンが多い印象です。レーザー測量機 Zenmuse L1 やフルサイズセンサー搭載の Zenmuse P1 をお見積りに含めると、その倍以上に跳ね上がることもあります。もちろん一般的なレーザー測量機に比べたらずっと安く上がります。単品で1000万円越えとかある世界なので、そもそも比べるのが間違いだなぁとも思いますが。
お問い合わせ窓口はコチラ
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。つい熱が入って3000文字を超える大ボリュームの記事となってしまいました。DJIの産業機についてのお問い合わせは、ぜひセキド虎ノ門本社までお寄せください。日ごろから M300 RTK を使い込んだ手練れのスタッフが対応いたします。
また、実際の大きさが見てみたい!という方は、DJI認定ストア 東京虎ノ門 にもご連絡ください。現場に出ていない日は実物の機体を見て、触れていただけます。
スタッフの趣味(?)で M300 RTK を在庫としてストアに抱えていますので、即日のお持ち帰りも可能です。たぶんこの機体を即日持ち帰れる店は日本でもここだけだと思います。ご来店お待ちしております。