DJI Matrice 300 RTK での立面飛行ミッションプラン：実践編

北村

CATEGORY : 産業用ドローン

UPDATE : 2021/04/19（月）

TAG : DJI Terra DJI Zenmuse P1 Matrice 300 RTK 測量

こんにちは、セキドの北村です。

今回は、前回ご紹介した産業用ドローン DJI Matrice 300 RTK を使用した、立面飛行ミッションプランの「実践編」として、千葉県銚子市屛風ヶ浦の海食崖での実証実験の様子をご紹介いたします。

海食崖での実証実験

屛風ヶ浦は千葉県銚子市名洗町から旭市上永井の刑部岬までの太平洋に面した海食崖で、国の名勝及び天然記念物に指定さている景勝地です。断崖の高さは 40m～60m、長さは 10㎞で、イギリスドーバー海峡にあるホワイト・クリフに似ていることから「東洋のドーバー」とも呼ばれ、銚子ジオパークの代表的なジオサイトとなっています。

今回は海からの浸食によって変化する地形の現状の把握を目的に、各社様にご協力いただき検証を実施いたしました。

【実証実験場所のご提供】
・銚子ジオパーク銚子市社会教育課文化財・ジオパーク室

【技術協力】
・大阪市立大学原口研究室
・大学発ベンチャー株式会社STORY

実証実験での使用機材

今回の現場で使用した機材は、下記の通りです。

・DJI Matrice 300 RTK（M300 RTK）
　現代の航空システムから着想を得て設計された、DJIの最新型業務用ドローン
　※ ネットワークRTKを使用して撮影

・DJI Zenmuse P1／35mmレンズ
　M300 RTK専用の3軸ジンバルスタビライザーに搭載されたフルサイズセンサーカメラ
　単焦点レンズの交換が可能

・DJI Zenmuse H20T
　20MPズーム・12MP広角・レーザー距離計・サーマルカメラを1つにした M300 RTK用カメラ

・DJI Terra
　周辺環境のデータを取り込んで分析し可視化できる簡単操作のマッピングソフトウェア

立面飛行ミッションの詳細

今回のミッションでは現場での作業をなるべく減らすため、事前に高さや速度などの値を設定したミッションプラン（ウェイポイント）を作成しました。そのため現場では対象物との距離を設定するための緯度経度のみを設定しました。

Matrice 300 RTK での立面飛行ミッションプランの作成方法は、こちらの記事をご確認ください。

Matrice 300 RTK の立面飛行ミッション作成方法

［事前のミッションプラン］

［現場での編集後のミッションプラン］

［ミッション中］

撮影設定

こちらが今回の現場で Matrice 300 RTK + Zenmuse P1／35mmレンズで使用した撮影設定です。

　作業距離　　　：約640m
　高度　　　　　：5～40m
　速度　　　　　：2.0m/s
　オーバーラップ：80%
　サイドラップ　：80%

DJI Terra によるモデル作成

Zenmuse P1 を搭載した Matrice 300 RTK で撮影した画像を、マッピングソフト DJI Terra に取り込んで作成したモデルがこちらです。

［現場全体のモデル］

［拡大のモデル 1］

［拡大のモデル 2］

［拡大のモデル 3］

［拡大のモデル 4］

［拡大のモデル 5］

作成したモデルを確認すると、凹凸の影部分なども鮮明に確認できることがわかります。
3Dでも地層ごとの粒状性が把握できる貴重なデータとなりました。

この実証実験から Matrice 300 RTK と Zenmuse P1 の組み合わせによる立面飛行のモデリングは、十二分な能力があることがわかりました。

ドローン測量のデモを行う無料実演会開催

セキドでは、今回紹介した Zenmuse P1 と Matrice 300 RTK について、実機を使って測量や構造物点検の現場を想定したデモを行う無料実演会を定期的に開催しております。横浜市金沢区のセキド DJI 横浜ドローントレーニングセンターで開催する実演会では、撮影データを持ち帰ることもできる、導入検討中の事業者様に最適なイベントになっております。
また、産業用ドローンの性能や導入事例を紹介する無料WEBセミナーも開催しておりますので、是非お気軽にご参加ください。