動画でもシャッタースピードを調整すべき理由って?目的別のオススメ設定も紹介
※2023-11-02 更新
こんにちは。DJIインストラクターの池田です。
自前のオープンカーでドライブに行ったら、走行中にスマホを吹っ飛ばして紛失しました。それをきっかけに iPhone 12 に買い替えたところ、カメラ性能やバッテリーの持ちが iPhone SE2 から大幅に改善されていて、ちょっと感動しました。「ガジェットは新しいものを使うに限るなぁ」と改めて思った体験でした。みなさんにはぜひ最新の DJI Mavic 3 Pro を体感いただきたいと思っております。
さて、今回は「せっかくなら上手に動画が撮りたい!」と意気込んでいる皆さんに、お持ちのカメラの設定について熱く語っていきたいと思います。DJI Mavic 3 Pro や DJI Air 3、DJI Mini 4 Pro などのドローンや DJI Osmo Pocket 3、DJI Osmo Action 4 などのカメラだけでなく、専用カメラアプリを入れれば iPhone などでも変更できる設定項目の解説なので、ぜひすべてのカメラユーザーに読んで頂きたい内容となっております。
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動画において設定できる項目とは
一般に、動画を撮影するときに設定することが多い項目としては「解像度(4Kや 1080pなど)」や「フレームレート(fps)」が挙げられると思います。解像度とは画像を表現する色の粒の細かさを、フレームレートとは1秒間の動画で見せる静止画の枚数(コマ数)をそれぞれ指します。
また、一眼レフカメラをお持ちの方は、写真を撮る時にISO感度やシャッタースピード、F値などを調整したことがあると思います。動画は写真を連続再生したものなので、動画の撮影時にもこれらのカメラ設定を行うことができます。ということで、カメラ設定の中でも「シャッタースピード」とその調整により発生する「モーションブラー」についてご紹介していきます。
シャッタースピードって何?
すごくシンプルに説明いたしますと、シャッタースピードとは “カメラのシャッターが開いている時間” のことです。スピードと言っても、通過する速度という意味ではありません。センサーやフィルムに光(映像)が当たる露光時間が短いことを「シャッタースピードが速い(被写体が止まって見える)」、露光時間が長いことを「シャッタースピードが遅い(被写体がブレる)」と言います。
わかりやすい例として、シャッタースピードが遅く人影がブレた写真がコチラです。
一眼レフカメラ等をお使いの方には馴染みのある言葉かと思いますが、実は写真だけではなくビデオ撮影の時にもシャッタースピードを調整することができます。
モーションブラーって何?
ひとことで言うと、モーションブラーとは「動きあるものを撮影したときに生じるボケやブレ」のことです。つまり、残像を意味します。
つまり、シャッタースピードが遅いほうがモーションブラー(被写体ブレ)が発生します。
シャッタースピードの違いがわかる動画を撮影しましたので、コチラをご覧ください。
設定の違いによる映像の変化が分かるかと思います。
次に上の動画の内容を写真で説明します。ちなみにこれは2022年1月6日、東京都に大雪警報が出た日に DJI Pocket 2 で撮影した写真です。
シャッタースピード 1/50
シャッタースピード 1/500
1枚目はシャッタースピード 1/50では雪の粒が流れていて、2枚目の 1/500では静止しているかの違いがお分かりになると思います。1枚目の写真で発生しているのが「モーションブラー」です。
実は、人間の脳は「動いているものはブレて当然」と思っているため、ブレがないと違和感を覚えるようにできています。違和感の無い映像としてモーションブラーを発生させたいがためにシャッタースピードを遅くすると、動画が明るくなりすぎることがあります。この時に役立つのがNDフィルターです。NDフィルターというと写真で使うイメージが強いですが、実は動画でこそ本領を発揮してくれるアイテムです。動画撮影の深い沼にハマると手放せなくなりますが、ここで語るには深すぎるのでまた後日説明したいと思います。
ちなみに DJI Mavic 3 や DJI Air 2S の Fly More コンボ にはNDフィルターセットが付属されています。「使ったことが無かった」という方は「明るさに対応して付け替えてみる」くらいの付け方で良いので、ためしてみてはいかがでしょう?改めてNDフィルターセットが欲しいという方はモデル別のアクセサリーページからご覧ください。
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最適なシャッタースピードの決め方は?
動画撮影時のシャッタースピードを決めるときには、先ほど説明したフレームレート(動画のコマ数)が重要になってきます。一般的には、最適なシャッタースピードは “1/2フレームレート~1/フレームレート” と言われています。つまりフレームレートが 30fpsの場合、シャッタースピードは 1/30~1/60秒まで。60fpsだと 1/60~1/120秒までの間で選ぶのがセオリーということです。
また、シャッタースピードが速すぎると、フリッカー(ちらつき)も発生します。これは目に見えない速さで蛍光灯が点滅を繰り返しているために起きる現象で、室内や夜景などで発生します。電源周波数が 50Hzの東日本では 1/50か 1/100を選び、電源周波数が60 Hzの西日本では 1/60か 1/120を選ぶとフリッカー対策になります。
フリッカーについてはコチラをご覧ください。
またスポーツやダンスのフォームを確認するなど “一時停止をする前提で動画を撮る” 場合は、フリッカーが発生するのを覚悟の上でシャッタースピードを速く(1/数百~1/1000など)して1コマごとの動きを確認するのもひとつのテクニックです。
撮影設定に悩んだら
ドローンやカメラ製品の使い方については DJI認定ストア 東京虎ノ門/福岡博多 の店頭でもご相談に応じております。ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。製品の販売も行っておりますので、まずは店頭で実際の製品を触ってみてください。ご来店お待ちしております。
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