セキドが変える水中ドローンによるダム堤体点検の常識とは
こんにちは!セキドの高木です。
今回は、昨年11月に国交省による技術公募「水中点検ロボットを使用したコンクリートダム堤体の水中点検技術」に参加して以来、多くの問い合わせを頂いている、水中ドローンによるダム点検技術の詳細について解説いたします。
※本記事の内容は公開時(2021年6月)の情報となります。現在提供可能な内容と異なる場合がございますのでご了承ください。
国交省による水中インフラ点検技術公募
国土交通省と経済産業省は2013年からロボットによる社会インフラ点検の検討に着手。そこで水中維持管理技術(ダム、河川)が重点分野の1つに定められ、水中ロボットによるダム水中点検の実証が始まりました。
昨年には新技術活用システムにおけるテーマ設定型「水中点検ロボットを使用したコンクリートダム堤体の水中点検技術」の募集が開始され、4社のうち1社にセキドも選ばれました。
技術公募では次の2点を測定することが課題に設定されています。
1. 故障箇所の形状・寸法を測定できること
2. 故障箇所の位置情報を測定できること
セキドの解決方法
セキドは「小型ROV及び写真測量技術を用いた水中構造物点検(仮)」として、少人数・低価格・簡単を目指しました。
使用機材の選考
採用した機体は BlueROV2プロ をベースにカスタマイズを加えたモデルで、「ダム点検仕様」として投入しています。低コストの機体と写真測量技術を採用することで、従来は高価な音響測位による位置測定を行っていた常識を変え、容易かつ低コスト化を実現しました。
「ダム点検仕様」の技術概要は弊社スタッフ佐々木が投稿したコチラをご覧ください。水中ドローン・ROVでダムを3次元モデル化する
水中点検技術の概要
形状寸法の測定
技術公募の課題である「形状寸法の測定」は、物体に10cm間隔のレーザーを当てて寸法推測を行う事で解決しています。
同じく技術公募に参加したF社では対象に定規を当てるという物理的対応でしたが、こちらも同様のアプローチです。
位置情報の測定
水中部ではGPSなど電波が効かないため、精度の高い位置の測定は極めて難易度が高く、使用機材も高価になりがちでした。
これに対して、今回セキドでは「写真測量技術」を水中で初採用しました。特徴は低価格な機材で運用可能であり、技術的にも十分習得可能であるということです。
写真測量技術は、セキドにとってすでに空のドローンで培ってきた技術であり、講習等で技術者の養成を行う実績から技術の習得にも充分な知見と経験があったことも採用の要因です。
水中ドローンによるダム点検などについてのお問い合わせはコチラセキド水中ドローン お問い合わせフォーム
※本記事の内容は公開時(2021年6月)の情報となります。
現在提供可能な内容と異なる場合がございますのでご了承ください。
精度結果と比較表の公開
こうして実施した「水中点検ロボットを使用したコンクリートダム堤体の水中点検技術」は一定の審査期間を経て、精度表および比較表が公開されました。
国土交通省報道発表資料
『水中点検ロボットを使用したコンクリートダム堤体の水中点検技術』の技術比較表を公表します
~新技術活用システムにおけるテーマ設定型(技術公募)の取り組み~
詳細な比較は資料をご確認頂きたいのですが、目標とした「低コスト化」と「少人数化」が達成されていることがご理解頂けると思います。
水中点検の精度
本体価格が他社に対して圧倒的に低価格ながら、精度については他社の結果と充分に健闘しています。
今回の比較表では三次元解析までの時間が含まれており、1,000 ㎡当たりの作業時間は8時間となっておりますが、現場での撮影は3時間ほどで完了しました。
低コストと人員
特に注目していただきたいのは【別紙−2】の比較表です。
セキドの人員編成は「2名(指揮者兼ROV操作者1名、補助員1名)」で、他社では4〜7名である点を鑑みると手軽であることが際立ちます。また現場ではセキドだけが唯一、計測船を使用しませんでした。
Blue ROV2 ダム点検モデルのお問い合わせは
今回は、これまでにない水中ドローンによるダム点検技術として選定された「BlueROV2ダム点検モデル」を使ったソリューションについて、紹介させていただきました。
(2021年12月8日更新)現在、BlueROV2ダム点検モデルの販売は終了しており、水中ドローン/ROVを使ったダム点検については、ご要望に応じて他の製品を含めたご提案を行っております。導入に向けた詳細をご希望のお客さまは、下記専用フォームまでお気軽にお問い合わせください。
また、セキドでは水中ドローンについてより詳しい情報や導入事例、実績などをお伝えする無料WEBセミナーも定期的に開催しています。次回の開催は調整中ですので最新の開催情報は一覧ページをご確認ください。具体的な用途やご検討中の課題についてのお問い合わせにも対応いたしますので、水中ドローンによる業務をご検討中の皆さまはぜひ一度ご参加ください。