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こんにちは、セキドSUSC事務局の糸野です。

国土交通省に登録されているドローン技能認定資格

 「SUSC 無人航空機操縦士 認定講習」

前回に引き続き、SUSC 無人航空機操縦士1級を取得され、ドローンを運用されている方の声をお伝えするインタビュー企画をお送りします。

第2弾の今回は、情報インフラ整備から宇宙事業までを手がける傍ら、ドローン事業にも注力されている、株式会社エムテックス 河田 眞道様(以下:河田氏)にお話しを伺いました。

1. 株式会社エムテックスについて
2. ドローンを活用した業務内容
3. 直近での特殊な請負業務
4. ドローンの登場で変わったこと
5. SUSC取得のきっかけについて
6. SUSC&ドローンに対して今後期待すること
7. ドローンの付加価値の創造について
8. まとめ

 

1. 株式会社エムテックスについて

 

糸野「本日はお忙しいところ誠にありがとうございます。SUSC取得者のリアルな声をお聴かせ頂ければと思います。」

河田氏「よろしくお願いいたします。」

糸野「それでは早速ですが、御社の業務について教えてください。」

河田氏「株式会社エムテックス(以下 エムテックス)では、主に情報通信インフラに関するテクニカルサービスを主軸に業務を行っています。その中でも特にエンジニアリング集団として、携帯キャリア様と共同しての携帯電話の研究・開発から施工・管理などの業務や、各種電気メーカーにて設計・開発、製造・検査、ネットワーク構築から保守等、幅広く業務を展開しています。」

河田氏「また、宇宙事業も手掛けており、システム・コンポーネント(通信・制御)開発や人工衛星のシステムインテグレーション検査、搭載機器の製造・検査・品質保証など多岐にわたる業務を行っています。」

糸野「コンポーネント製造などに関しては、一部のみを手掛けるわけではなく、システムの構築や品質管理を含め、全体に携わっていらっしゃるのでしょうか?」

河田氏「はい。それぞれの分野に適材適所として多岐にわたる人材がおりますが、特に宇宙事業の分野では機器製造検査請負が多いです。これはコンポーネントなどを含むあらゆる衛星搭載機器の製造から検査まで一括で請負っております。」

糸野「宇宙事業にはとても憧れますね。」

河田氏「はい、宇宙事業には夢があるなと感じます。私自身も現在、弊社のドローン事業と兼務して人工衛星関連の開発等に携わっており、はやぶさ(※1)のプロジェクトにも関わる事ができました。はやぶさ1号機はほぼ瀕死で帰還したのですが、当時NECの技術者も含め関わっていたもの全員が固唾を飲んで見守っていて、実際に帰還を成功させた時は、とても感動致しました。」
 
※1:小惑星探査機 はやぶさ (MUSES-C)
国産の小惑星探査機。地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸して地表面のサンプルを採取、それを地球に持ち帰ることに世界で初めて成功した

 

2. エムテックスのドローン関連業務について

※にこやかにインタビューに応じて頂いたエムテックス河田氏(写真左)

 

糸野「ドローン事業と兼務とのことですが、御社では具体的にどういったドローン関連業務を行われていますか?」

河田氏「現在は、いわゆる空撮映像の提供、特に宣伝会社さんから請ける施設や企業PRなどの映像撮影と、弊社が防災協定を結んでいる横浜でも実施している、建築物の点検、診断用の撮影などの業務が多いです。」
(参考:https://shin-yoko.net/2019/01/15/bousai2019/ )

※実際の点検業務で撮影された写真

 

糸野「診断自体も実施されていますか?」

河田氏「いえ、診断自体は別にプロの方がいらっしゃるので、弊社の業務としては診断用の写真の提供のみ実施しています。」

河田氏「建物の点検では一般に赤外線カメラを使用して不具合個所の特定をします。壁面の撮影を地上から行う場合、角度が付くため精度の高いデータ取得に苦労しますが、ドローンであれば常に対象箇所と同じ高さで赤外線写真が撮れるため、従来の方法よりも高精度のデータが取得できます。」

河田氏「それ以外にも、足場を組む手間がいらないことや、太陽光発電パネルを真上から点検可能なことなど、ドローンを利用した調査点検業務は従来発生していたコストやリスクを減らし、安全で安価な方法で精度の高い情報が取得できると、非常にご好評頂いています。」

 

 

3. 直近での特殊な請負業務

 

糸野「ドローンを空撮だけではなく、点検業務でもご活用されているのですね。ほかにも御社でドローンを使用されている事例などございますか?」

河田氏「直近での特殊な事例として、携帯キャリア様からの依頼で、上空の電界強度(ある地点での電波が届いている電波の強さのこと)を測定する業務を実施したこともあります。」

糸野「ドローンを使用して、電界強度の測定ですか?」

河田氏「はい。通信エリアの確保について、各キャリアは従来の4GやLTEを含む複数の通信規格を使用していますが、この通信の電界強度は、特に上空においてはあまり確認できていない課題がありました。高度による電波の強度分布を解析する為、弊社でMatrice 600に独自のカスタマイズを行い、電波測定機器を搭載してこの測定を行いました。」

 

※実際の機体(M600)とCADの図面画像

 

糸野「電波測定機器はかなりの重さだと思いますが?」

河田氏「はい。重さもそうですし、しっかりアンテナを出さなければいけないということで、3D CADを利用し図面を起こすところから弊社で実施し、強いパイプとカーボンを組み合わせてうまくアッセンブリをして実現しました。」

糸野「単純にドローンを飛ばすだけでなく、カスタマイズなども含めた取り組みをなさっているのですね。」

河田氏「はい。弊社の得意分野であるエンジニアリングを生かし、既存の機能では実現が難しいような各種ご要望に対し、専用カスタマイズを含めたあらゆる方法で実現させる技術力こそが、弊社のドローン業務の強みだと自負しております。」

 

 

4. ドローンの登場で変わったこと

 

糸野「ドローンの登場で変わったこととして、実感することがありましたら教えてください。」

河田氏「劇的に変わったこととして、警察の方とのお付き合いが増えたことがあります(笑)」

糸野「警察の方ですか?」

河田氏「はい。ある業務でドローンを飛ばしていた際に、ちょうど時期が悪く、官邸にドローンが落ちた事件(※2)の直後ということもあって、周辺住民の方に通報をされたことがありまして。」

糸野「あの時期は世間的にもドローンの負のイメージが先行していて、許可を取ったうえで飛ばしていても警察の方が来ることはありましたね。」

河田氏「はい。その時も関係各所からしっかり許可を取っていたので、そのことを説明してその場は収まりました。」

 

河田氏「その際に対応頂いた巡査の方が、弊社の宇宙事業についてご興味を持たれたことがご縁でお付き合いが始まり、最終的には神奈川県警港北警察署との間でドローンのテロ対策を目的とした運用についての協定を結ばせて頂くことに至りました。」
(参考:https://www.kanaloco.jp/article/entry-25063.html )

河田氏「それが大きな環境変化として感じましたね。ドローンをきっかけとして、警察の方だけではなく、従来弊社とはお付き合いがなかったような様々な分野の方と繋がれたと実感しています。」

 
※2:首相官邸無人機落下事件
2015年4月22日 総理大臣官邸屋上に無人機が落下した事件。ドローンに関する法整備が加速するきっかけとなった。

 

5. SUSC取得のきっかけについて

 

糸野「今回、SUSC 1級を取得しようと思われた経緯を教えてください。」

河田氏「ドローン業務の一環として、ドローンの講習業務を含めたいと思ったのがきっかけです。 他社のドローン資格等も取得しましたが、ドローンの販売元であるセキドさんが講習を実施していることの納得感や、SUSC 2級を受けた際の講習内容が、事前に確認していた国土交通省のマニュアルを包括した内容であること、実践的で安全運用についてしっかり啓発する内容であったことなどから、本気でドローンスクールを実施されている会社さんなのだと感じ、SUSC1 級の取得の決断をいたしました。」

糸野「ありがとうございます。他社のドローン資格をお持ちの上で、SUSC 無人航空機操縦士 1級を選んで頂き、大変光栄です。」

河田氏「実際に私自身もドローンオペレータとして業務を実施していますが、最近私の部署にもう一名、佐藤というものが入りまして、直近の案件では佐藤にオペレーションを担当させ、私自身は安全運行管理者として業務に従事しています。」

河田氏「佐藤には他社のドローン資格を取らせておらず、私自身がドローンを教えていたのですが、この度講習業務を始めることを検討するうえで、しっかりと体系だった講習を受けさせたく、SUSC 無人航空機操縦士 2級を受けさせました。」

糸野「ありがとうございます。」

河田氏「佐藤はこれまでドローンの現場経験を積んでいましたが、SUSC受講後に『難しかった』と講習全体の感想を言っていたので、やはりしっかりとした講習内容だったのだな、と改めて感じました。」

糸野「SUSC 無人航空機操縦士 2級については、4日間で座学講習と実技講習+認定試験を行っておりますが、他のドローン資格等をお持ちの方向けに受講日数を減らした『2級昇級』というコースも用意しています。合格率はそこまで高くない約65%ほどで、他の資格をお持ちの方や、業務経験をしっかり積んだ方でも難しいと感じる方は多いようです。」

河田氏「はい。佐藤も受講終了後、『大変でした』と言っていました(笑) ですが、佐藤自体のドローンの操縦技能の向上は勿論のこと、それだけではなく、ドローンを安全に運用する為のルーティンワークとしての気配りや、ドローンの点検や周囲の安全確保について『しっかり学んで持って帰ってきたな』と感じ、私としても受けさせて良かったと満足しています。」

 

 

6. SUSC&ドローンに対して今後期待すること

 

糸野「SUSCに対して、今後期待することはありますか?」

河田氏「内容についての不満などはあまりないのですが、唯一あえて上げるとしたら、2級不合格者の方への救済措置として、例えば3級の試験を受けさせてあげるなどの処置を検討頂ければありがたいです。」

糸野「なるほど。その件に関しては、現在、社内でも検討中の課題となっております。受講頂いた方の満足度向上を考えつつ、資格を提供する側としての責任をどのように果たして行くのかも含め、早々に改善をしたいと考えております。」

河田氏「私自身は、資格の内容が難しければ難しいほど実業務に役立つと考えているので、現在の内容についてはありがたいのですが、やはりどうしても操縦などが不得意な方もいらっしゃると思いますので、そういった方に対してより手厚い対応ができればと思いますね。」

糸野「ありがとうございます。それではドローン自体に今後期待することはなんですか?」

河田氏「現在のドローンは、空を安定して飛ぶことも、綺麗な映像が撮れるのも当たり前になっています。しかもそういったことは現在のドローンであれば、誰でも簡単に実現できてしまいます。私自身は技術屋ですので、ドローンに対してもう一仕事させたいなという思いがあります。」

河田氏「撮影以外で、農薬散布などに始まる産業用途でのドローンの活用について『ロボティクスとしてのドローンの仕事を増やすこと』を、今後期待したいと思っています。」

 

7. ドローンの付加価値の創造について

 

河田氏「ドローンに機能を追加するということでは、最近ご相談を頂いたお話で、みなとみらい線の地下電球交換についてのご相談を頂いたことがあります。」

糸野「ドローンへの専門カスタマイズのご相談を頂いた、ということですか?」

河田氏「はい、そのカスタマイズについて実現方法の提案をいたしました。みなとみらい線は地下鉄で各駅とも地下4~5階と深い為、駅の天井は意外に高く、従来、天井灯の電球交換は電球取り付け部分を電動で手元まで降下させ、手作業で行っていました。」

 

河田氏「その取り付け部分が経年劣化しており、降下しなくなってしまっているとのことで、現在では、みなとみらい線が停止している3時間の中で足場を組んで電球を交換し、また足場をばらす作業を実施する必要があるそうです。」

糸野「とても大変な作業になりますね。」

河田氏「はい、作業自体も金額も大変なものになるそうです。それで、みなとみらい線の運輸・施設管理の方からご相談を頂き、ドローンを天井灯の位置まで移動させ、電球を交換して返ってくるドローンをメーカーと作れないか検討・依頼を頂きました。」

糸野「閉鎖空間でのドローンの安定飛行は、GPSも入ってこない為、現状で課題の多い部分ですが、どういった回答をされたのですか?」

河田氏「我々は、その部分について測位・測距という考え方で解決できるのではと考えています。 基本的には対象物との距離を三点法で測り、具体的にはトプコンのプリズム等を使いドローンの位置をしっかり把握し、飛行場所のマッピングさえすれば、後はSDK(DJI製ドローンでは開発キット(SDK)が公開されています)側で位置補正をするだけです。今回のお話ではそういった提案をさせて頂きました。」

 

糸野「今後のドローンの進化の中で測距装置を搭載したものも、販売されるかもしれないですね。」

河田氏「まさに今回のお話については、今後の技術革新による製品販売を待つということで終わっていますが、測距装置の搭載については十分に考えられると思います。」

糸野「仮に現状で測距装置を搭載したドローンをカスタマイズで構築する場合、最初のテストフライトを実施するまでにどれくらいの期間が必要なものなのですか?」

河田氏「おそらく、4人チームで3~6ヶ月ほどの工数で可能だと思います。」

糸野「なるほど。閉鎖空間でのドローン活用について、引き合いを頂くこともありますので、今後は是非ご相談させてください。」

河田氏「はい、是非お気軽にご相談ください。」

 

糸野「本日はお時間を頂き、誠にありがとうございました。」

河田氏「こちらこそ、ありがとうございました。」

 

8. まとめ

今回のインタビュー記事は、いかがだったでしょうか?

ご自身で株式会社エムテックスでのドローン事業を一から始められた、河田様ならではの奥が深いお話を沢山伺うことができ、大変ありがたかったです。

今後もSUSC無人航空機操縦士を取得された方にインタビューさせて頂き、受講をご検討頂いている方の参考になる記事を公開したいと思います。
ここまでお読み頂きありがとうございました。

本記事に関する感想や、今後知りたい情報・インタビュー内容などありましたら、お気軽に問合せフォームからお送りください。

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エムテックス 河田氏ご紹介

株式会社エムテックス
ドローン・テクノサービス部 部長
(宇宙技術部 副部長 兼務)
河田 眞道 様
岐阜県出身。
通信技術に興味を持ち、現在の株式会社エムテックスに入社。
NECの通信機器、特に防災行政無線に従事後、宇宙で使用する高周波無線技術(RF)、高圧電源開発に携わる。
その後、「みちびき(準天頂衛星システム)」の開発・評価・検査に従事する中で測位の分野に興味を持つ。
現在も続く、準天頂衛星システムについて、位置情報の活用で特に将来性があるドローンについても関心を持ち始め、もともとの趣味がカメラであったこともあり、事業起案し、株式会社エムテックスでドローンビジネスを開始。
株式会社エムテックス
http://www.mtex-yh.co.jp/

 

※ その他のSUSC受講者インタビュー記事も合わせてご覧ください。

SUSC取得者インタビュー 第1弾
【映像カメラマン × SUSC】

SUSC取得者インタビュー 第3弾
【株式会社中国放送 × SUSC】

SUSC取得者インタビュー 第4弾
【個人事業主 × SUSC】

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