こんにちは、株式会社セキドの吉田です。
2024年11月にXGRIDS(エックスグリッド)から新たに3Dハンディスキャナー「Lixel L2 Pro(リクセル エルツー プロ)」が発表されました。
本記事では従来の Lixel L2 との違いや、ハンディスキャナーの選び方のポイントを解説いたします。
XGRIDS とは
XGRIDS は中国に拠点を置く企業で、主にGoogleやApple、DJI出身のチームメンバーで構成されています。現実世界とデジタル世界の架け橋を築くことに取り組んでおり、小規模から大規模の高精度3Dモデルの構築を支援するソフトウェアやハードウェア(3Dスキャナーなど)を提供しています。
XGRIDSの製品や技術については、以下のコンテンツをご覧ください。
高性能ハンディ3Dスキャナー XGRIDS Lixelシリーズとは?
機能や特徴をレビューします
Lixel L2 Pro 新しい3つのラインナップ
新たに発売された Lixel L2 Pro は、3つのラインナップが登場しました。
製品バージョン | LiDARチャンネル数 | LiDAR有効距離 | LiDAR取得レート |
L2 Pro[16/120] | 16チャンネル | 120m | 毎秒32万点 |
L2 Pro[32/120] | 32チャンネル | 120m | 毎秒64万点 |
L2 Pro[32/300] | 32チャンネル | 300m | 毎秒64万点 |
どの製品を選ぶかは、スキャンしたい距離や点群の密度に合わせて決めるのがポイントです。
・「遠くをスキャンしたい」なら、300mのLiDAR有効距離を持ったモデルが最適。
・「点群の密度を増やしたい」なら、毎秒64万点スキャンできるモデルがおすすめです。
・「基本的なスキャンで十分」なら、16チャンネルモデルがコスパ良好です。
XGRIDS Lixel L2 Pro スタンダードパッケージ (16/120)
XGRIDS Lixel L2 Pro スタンダードパッケージ (32/120)
XGRIDS Lixel L2 Pro スタンダードパッケージ (32/300)
リアルタイム精度がすごい
Lixel L2 Pro でスキャン後すぐに得られるデータ(生データ)は、従来の Lixel L2 で後処理を行ったデータに匹敵します。
以前はPCにデータを移行し、後処理に時間がかかっていましたが、Lixel L2 Pro ではその時間を大幅に短縮できます。
例えば、Lixel L2 でスキャンしたデータを構築するには、1回につき約1時間以上の時間が必要でしたので、月に20回スキャンした場合、後処理に20時間以上を掛けていることになります。Lixel L2 Pro ではリアルタイムに Lixel L2 後処理レベルのデータが取得できるため、月に20時間以上の作業時間を節約できるのです。
高精度測量とRTK対応
Lixel L2 Pro は、相対精度2cmの精度でリアルタイムデータを取得でき、さらに後処理後は1cmの精度を実現しています。また、RTKモジュールを取り付けることで、絶対精度3cm以内の精度で座標データをリアルタイムに出力可能です。
リアルタイム絶対垂直精度(RMSE)2 | 3cm |
リアルタイム絶対水平精度(RMSE)2 | 3cm |
リアルタイム相対精度(RMSE)3 | 2cm |
後処理絶対垂直精度(RMSE)4 | 3cm |
後処理絶対水平精度 4 | 3cm |
後処理相対精度(RMSE)3 | 1cm |
後処理繰り返し精度(RMSE)5 | 2cm |
後処理点群厚み 5 | 0.5cm |
後処理水平度(RTK を使用)6 | 0.015 |
後処理垂直性 | 0.03° |
[3] 2 点間の距離が 100m 未満
[4] GCP/RTK の切断が 100m 未満
[5] 2 回の RTK 対応スキャンで切断されないこと
[6] 歩行経路から 10m 以内の点群の厚さ
新技術:LixelUpSample™による高密度点群生成
「LixelUpSample™」とは、Lixel L2 Pro などで使用する3D ポイント クラウド処理ソフトウェア「Lixel Studio」が新たに対応した点群後処理機能の一つです。
Lixel L2 Pro はLixelUpSample™を活用することで、最小1mm間隔の高密度点群を生成できます。
これにより、これまでにないほど美しく、詳細な点群を作成できます。
外付けカメラが不要で便利にスキャン
従来の Lixel L2 では、カメラ取り付けマウントに「Insta360 ONE RS 1インチ 360度版」を取り付けなければ、メッシュモデルや LCC(Lixel CyberColor、3D Gaussian Splatting)データを作成することができませんでした。
Lixel L2 Pro は360度パノラマカメラを内蔵していますので、本体のみで取得したデータを元に LCC や Lixel Studio でメッシュモデルを作成することが可能です。
新しいアクセサリー
Lixel L2 Pro に合わせて、いくつかの新しいアクセサリーも同時に発表されました。
L2シリーズ延長ポール:高い場所や低い場所からスキャンするための延長ポール
振動軽減バックパックモジュール:Z軸の振動を軽減し、より安定したスキャンを実現
高利得RTKモジュール:厳しい環境下でもRTK接続ができる高性能アンテナを内蔵
価格と購入方法
価格については、こちらのフォームからお問い合わせをお願いしております。
Lixel L2 Pro は、Lixel L2 に「Insta360 ONE RS 1インチ 360度版」と「カメラマウントモジュール」、「スマートフォンマウント」を合わせた場合とだいたい同じ金額になります。
スキャンの精度や生成のスピードが圧倒的に向上しつつ、外部カメラやカメラマウントモジュールが内蔵され、スマートフォンマウントが標準で付属、導入コストを抑えた Lixel L2 Pro。従来の Lixel L2 や他社製品など旧世代の3Dハンディスキャナーをご検討されている皆さまは、ぜひ新世代の「後処理ゼロ」3Dモデリングをご検討ください。
まとめ
Lixel L2 Pro は高精度で効率的なスキャンを実現し、従来の Lixel L2 に比べて、スキャン後の処理時間を大幅に削減します。特にリアルタイムでの精度が求められる現場では、その優れた性能が大きな力を発揮します。
どんなスキャンニーズにも対応できる Lixel L2 Pro についてのお問い合わせは、こちらのフォームからお願いいたします。