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こんにちは、産業機担当の鈴木です。本日は、DJI Terra V5.2.0のアップデート内容を、技術的な観点からご紹介します。

今回のアップデートでは、可視光処理、LiDAR点群、3DGSの各ワークフローにおいて、データ処理の安定性と作業効率を高める改善が行われています。

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DJI Terra V5.2.0で注目したい3つの改善

今回のアップデートで特に注目したいのは、GCP自動認識、2DマップのGeoTIFF(COG)形式出力、LiDAR点群再構築時の軌跡補正です。

LiDAR処理では、飛行軌跡に起因する誤差を補正するアルゴリズムが改善されました。従来は軌跡不良の影響を受けやすかったデータでも、より安定した点群生成が期待できます。

可視光処理では、GCP(地上基準点)の自動認識およびマーキング機能が強化されています。画像内のターゲットを自動検出できるため、処理工程の省力化と人的ミスの低減に寄与します。

さらに、3DGS(3D Gaussian Splatting)では、描画および再構成品質が改善されています。構造物表面のテクスチャ再現性や微細形状の表現力が向上し、点検・解析用途での活用範囲拡大が期待できます。

本バージョンは、既存ユーザーにとっては処理品質と効率の両面でメリットがあります。新規導入をご検討中の方にとっても、データ取得から成果物作成までの成功率向上に関わる重要なアップデートです。

DJI Terra V5.2.0 リリースノート概要

バージョン番号

V5.2.0

新たに追加された主な機能

DJI Terra V5.2.0では、以下の機能が追加されています。

・Zenmuse L3で撮影されたHEIF(.heic)写真を、可視光構築プロジェクトへインポート可能になりました。
・GeoTIFF(COG)形式での2Dマップ生成に対応し、下流ソフトウェアでのマップ閲覧速度が向上しました。
・DJI D-RTK 3で収集したデータに対する自動マーク識別機能が追加されました。これにより、オフィスでの処理効率が向上し、手動マーキングに要する時間を短縮できます。
・設定画面で機器のパフォーマンスモードを調整できるようになりました。高効率モードまたはカスタムモードを有効にすることで、複数のコンピューティングコアを活用し、構築の効率と速度を最適化できます。
・エラーレポート機能が強化され、追加の添付ファイルをアップロードできるようになりました。

更新・改善された主な内容

構築処理中に写真を融合し、LiDAR飛行ルートの軌跡を精緻化することで、LiDAR点群構築プロジェクトの構築結果が改善されました。

また、LiDAR点群構築タスクにおけるベースステーション中心点の解析ルールが改善され、ベースステーション中心点の精度向上が図られています。オブリーク(斜め)飛行ルートデータから構築した2Dデジタルオルソフォトマップ(DOM)の品質も向上し、より鮮明で自然な画像表現が可能になりました。

そのほか、品質レポート内における座標系および出力パラメーターの表示改善、可視光構築タスクにおける3DGSの構築結果と処理効率の改善、Zenmuse L3で収集したデータを使用した2Dマップ構築効率の向上などが含まれます。可視光点群プロジェクトでは、ノイズ低減と精度向上がデフォルトで有効になりました。

注目機能1:GCP自動マーキングで
標定作業を効率化

DJI Terra V5.2.0では、DJI D-RTK 3により取得したデータに対し、GCP(対空標識)の自動マーキング機能が追加されました。

従来は、対空標識1点ごとに中心位置を手動で微調整する必要がありました。本機能では、画像解析によりターゲットを自動検出し、中心位置の推定までを一括で実行できます。これにより、作業者のスキルに依存していたばらつきを抑えながら、処理時間の短縮とワークフローの標準化が可能になります。

基本手順

  1. DJI Terraでプロジェクトを作成し、可視光画像およびGCP座標データをインポート
  2. GCP管理画面で自動マーキング機能を選択
  3. 画像内の対空標識を自動検出し、各画像に中心位置を自動付与
  4. 必要に応じて結果を確認し、微調整
  5. そのまま解析処理を実行

本機能により、特にGCP点数が多い案件や広域案件では、従来工程と比較して大幅な工数削減が期待できます。人的作業の削減により、ヒューマンエラーの低減にも寄与し、安定した精度確保につながります。

注目機能2:GeoTIFF(COG)対応で
2Dマップの読み込みを高速化

DJI Terra V5.2.0では、2Dマップの出力形式として、新たにGeoTIFF(COG)形式に対応しました。

COGはCloud Optimized GeoTIFFの略称で、従来のGeoTIFFと比較して内部構造が最適化されています。必要な部分のみを効率的に読み込めるため、下流ソフトウェアでの表示や閲覧を高速化しやすい形式です。

これにより、他ソフトへインポートする際の初期読み込み時間が短縮され、データの受け渡しや編集作業がよりスムーズになります。特にQGISなどのGISソフトでは、大容量データの表示・操作時に効果を確認しやすい形式です。広域案件や高解像度オルソ画像を扱うケースでは、実務上のメリットが大きいアップデートです。

格納場所

保存先フォルダ内
map > terra_dom > GeoTIFF(COG)

本機能により、解析後のデータ活用フェーズにおけるボトルネックを軽減できます。社内外でのデータ連携や、二次利用の効率化にも寄与します。

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注目機能3:LiDAR点群再構築時の
軌跡補正を最適化

DJI Terra V5.2.0では、LiDAR点群再構築時の飛行軌跡補正に関する最適化機能が追加されました。

本機能は、LiDARデータ取得時の飛行軌跡(Trajectory)の品質が低い場合でも、同時取得された可視光画像のPOS(位置・姿勢情報)が良好であれば、それを活用して軌跡補正を行う仕組みです。

具体的には、平滑化処理を有効化することで、写真のPOSデータを基準にLiDARの軌跡を再推定し、点群生成の安定性を向上させます。

これにより、従来はIMUやGNSSの不良に起因して処理エラーとなっていたデータでも、可視光由来のPOSを用いた再解析が可能になるケースがあります。特に、飛行環境の影響を受けやすい現場や、一部区間で軌跡異常が発生したデータに対して有効です。

技術的ポイント

  • LiDAR軌跡品質が低い場合に、可視光POSを補助的な基準として活用
  • 平滑化処理により軌跡の連続性を補正
  • 従来エラーとなっていたデータを再構築できる可能性がある

一方で、本手法はあくまで補正処理です。元のLiDAR軌跡品質が良好なデータと比較すると、最終的な点群精度は劣る可能性があります。

そのため、測量用途など高精度が求められる場合は、従来通り、取得段階での品質確保が重要です。

本機能は、データ救済の手段として非常に有効です。現場での再飛行リスク低減や、データ取得成功率の向上に寄与するアップデートといえます。

注目機能4:可視光点群のノイズ低減と
精度向上がデフォルトで有効化

DJI Terra V5.2.0では、可視光点群プロジェクトにおいて、ノイズ低減と精度向上がデフォルトで有効になりました。これにより、点群生成時の不要なノイズを抑えながら、より扱いやすい成果物を得やすくなります。

従来は、構築後にノイズ除去や編集作業を行う必要があるケースもありましたが、本アップデートにより、後処理の負担軽減が期待できます。

現況把握、出来形確認、トレース作業など、点群データを次工程で活用する業務において、実務上の効果が大きい改善です。

注目機能5:3DGSの高品質再構築と
処理効率を改善

DJI Terra V5.2.0では、可視光再構築タスクにおける3DGS(3D Gaussian Splatting)の構築品質と処理効率も改善されています。

極高画質設定では、構築結果の品質向上が図られています。また、高画質設定では構築効率が改善されており、品質と処理時間のバランスを取りやすくなりました。

3DGSは、点群やメッシュとは異なる表現方法により、構造物表面の質感や細部を視覚的に把握しやすい点が特徴です。

今回の改善により、欠損やぼやけを抑えた高精細な3D表現が期待できます。点検、記録、現況把握など、視認性が重要な用途で活用しやすくなります。

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総括:作業効率とデータ品質を両立する
実務向けアップデート

DJI Terra V5.2.0へのアップデートにより、可視光・LiDARの両ワークフローにおいて、精度、再現性、処理効率の改善が確認できます。

可視光処理では、GCP自動マーキング機能により、従来必要だった対空標識ごとの手動チューニング作業を削減できます。

これまでの仕様でも、1点のマーキングをもとに他画像へ自動反映することは可能でしたが、対空標識の数に応じた初期作業は必要でした。今回のアップデートでは、その工程自体の自動化が進み、標定作業および精度検証にかかる工数削減が期待できます。

また、点群生成における品質改善も重要なポイントです。ノイズ低減や精度向上により、従来必要だった後処理の負担を軽減し、現況把握やトレース作業の効率化につながります。成果物品質の向上は、その後のCAD/BIM連携や解析業務にも影響する要素です。

さらに、オルソ画像のCOG対応による読み込み速度の向上も、実務上の大きな改善点です。大規模案件では、外部ソフトへのインポートや編集時のパフォーマンスが課題となるケースがあります。今回の最適化により、.shpや.dxfを用いたトレース作業、複数データのジオリファレンス処理を進めやすくなります。特に、森林分野や広域測量において、メリットの大きい機能です。

3DGSについても、従来課題となりやすかったPC負荷や再構成の安定性に対し、描画精度と再現性の改善が図られています。スマート3Dキャプチャーによる自動航行と組み合わせることで、より高品質な3Dデータの取得・生成が期待できます。

LiDAR処理では、飛行軌跡エラーに対する補正機能の追加が大きな進化です。実際の現場では、機器が正常であっても、環境要因により軌跡不良が発生するケースがあります。今回のアップデートでは、可視光のPOSデータを活用することで、これまで構築エラーとなっていたデータを再解析・点群化できる可能性が高まりました。

加えて、Zenmuse L3のようにIMUやLiDAR性能が向上した機材では、取得段階での安定性も高まっています。ソフトウェア側でも補正・最適化が進んだことで、ハード・ソフト両面から品質を担保しやすい環境が整いつつあります。

総じて、本アップデートは、作業効率の向上とデータ品質の安定化を両立する内容です。日常業務から大規模案件まで、幅広い現場で効果を発揮する実務向けのアップデートで、これまで以上に安心してデータ取得・処理を行える環境が整ったと言えるのではないでしょうか。

DJI Terraの処理精度・運用改善に関する
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