水中ドローン FIFISH E-GO でどのくらい鮮明に対象が見えるかをテストしました
こんにちは!水中ドローン担当の森上です。今回は、点検業務に焦点を当てて「水中ドローンでどのくらい水中の対象物を見ることができるのか」というテーマで、QYSEA FIFISH V-EVO/FIFISH E-GO を用いて、実際に多摩川の堰でテストをしてきた様子をご紹介いたします。
QYSEA FIFISH E-GO
QYSEA FIFISH E-GO で見えた水中の様子
今回は多摩川某所の堰付近で、配管や橋脚部分を確認するテストを行ってきました。
雨天時の注意点を再確認
当日は朝から準備万端、いざ撮影開始!……と思いきや突然の豪雨に見舞われました。
点検業務の現場で悪天候は付き物ですが、水中ドローン機材には下記のように濡らすと故障の原因になるものも含まれますので、雨天時はくれぐれも取り扱いにご注意ください。
・リール本体
水中ドローン本体とテザーケーブルは水中に入れるものなので濡れてもOKですが、いずれもコネクター部分は濡れないようにご注意ください。
詳しくはこちらのQ&Aをご覧ください。Q&A:テザーリール・コントローラー取り扱いの注意点
改めて撮影環境を確認
雨も上がり、一転強い日差しが照り付ける中、いよいよ撮影開始です。
撮影ポイントの環境はこちらの通りです。
深度:約3~5m
視認性:深度が浅く水面からの光の影響もあるが対象物をクリアに確認できる
実際に撮影した水中映像は
いくつかのパターンで撮影しましたので、その映像をご覧ください。
配水管を撮影。5cm~10cmで接写しているので、鮮明に映っています。後半50cm以上離れると輪郭がわかるくらいの見え方です。
配水菅を下から上に向かって撮影しています。(LEDライト点灯)
V-EVOで撮影した、E-GOが橋脚土台部分を撮影中の映像です。対象物に接近して撮影していることがわかります。
FIFISH E-GO が搭載する優れた撮影機能
E-GOは、現在の FIFISHシリーズの中でも水中を見る能力においてはトップクラスの性能を有している製品で、下記の特徴があります。
・照射範囲160度と広範囲をカバー
・4K/30fpsの高解像度動画が撮影可能
・AIアルゴリズムによる画像鮮明化処理
[AI色調和]
水中撮影する際に自動に ホワイトバランス調整と青被りを軽減し、より自然に近い色に再現します。
[AI画像鮮明化処理]
AI学習アルゴリズムを利用して、浮遊物やプランクトン、濁りなどをAIで認識し、画像から取り除くことで、画像の鮮明化を実現します。
[AIビジョンロック]
AIによる機能で、画面上のターゲットを識別し、ロックしたターゲットとの距離を自動的に保ちながらホバリングします。
安定した撮影に欠かせない AI ビジョンロックシステムとは
水中撮影に特化した優れた性能を持つ FIFISH E-GO でも、水中の対象物を見ることにおいて、特に便利な機能をご紹介します。
河川では、常に送信機を操作していないと水流でドローンが流されてしまいます。対象物が確認できてモニター画面に集中するあまり、操縦が疎かになり気づいたら対象物から1m以上離れているなんてこともよくあります。川の流れが強い中で、その場に留まって対象を撮影し続けるには意外と操縦技術が必要なのです。
そんな時は、AIビジョンロックシステムが有効です。画面の対象物をタップするとホバリングして対象物を捉えるようにロックしてくれます。
[ビジョンロックが有効な状態]
[ビジョンロックのオン/オフ切替]
1~15秒がビジョンロック中で、その後にビジョンロックを解除しています。
水中映像はモニターで確認できるのか?
送信機に設置したスマートフォンでは確認できない場合も
水中ドローンで撮影している対象物を確認できるのが送信機のモニターですが、特に目視で水中ドローンを確認できないくらいの深度で航行する場合、モニターが状況を確認するための唯一のツールとなります。
映像はiPhone15を送信機に装着していますが、日差しが強い中ではほとんどモニターが見えません。
解決策1. 送信機モニターフード
現場で見るためには工夫も必要です。写真のように大きめのタオルを頭からかぶり、送信機とモニターごと覆うとよく見えます。
猛暑の中、男同士肌寄せ合っておりますが・・・意外とタオル、使えます。
現場ではこういった臨機応変な対応や、オプション品の送信機モニターフードを事前に準備するなどが必要です。
解決策2. 高輝度外部モニター
送信機のモニターを覆うほかには、下のような高輝度外部モニターを準備しておくと、より簡単に屋外で映像確認が可能になります。
[スマートフォンと外部モニターの輝度]
・FEELWORLD LUT7:最大輝度 2200nit(ニト)
晴天の屋外でモニター映像を確認するには、2000nit以上の輝度は欲しいところです。
実際に操作や映像が体験できる実演会を開催
今回は基本的な水中点検業務において、濁度が高い河川という実際の現場で対象物をどれくらい見ることができるのか、どうやってモニタリングすべきかを簡単にご紹介いたしました。さらに深度100m以上の光が届かない場所での点検では違ったアプローチが必要になってきます。
ぜひ今回のレポートをご参考いただき、ご不明な点やご質問があればお気軽にセキドまでお問合せください。
セキドでは今回使用した水中ドローン FIFISH V-EVO、E-GOを、現場を想定した特設コースで実際に操縦していただき、操作感や撮影した映像が確認できる水中ドローン無料体験会を開催しております。「水中ドローンってどんなもの?」といった疑問が解消できるイベントですので、皆さまのご参加をお待ちしております!