米作りの省力化に挑戦!「農業ドローン×直播」で本当に儲かるか徹底検証[導入編]
こんにちは、セキド農業チームの槇島です。今回、初めて執筆したスペシャルコンテンツでは、農業チームが進める「直播プロジェクト」について皆さまにご紹介させていただきます。
「農業ドローンによる米の直播プロジェクト」は、農業の就業人口の減少や後継者不足に加えて、近年、米価の下落や肥料価格の高騰などが追い打ちとなり、収量を上げられない、収量があっても儲からないという大きな課題を持つ水稲の現場に対して、危機感を持って立ち向かい、就農者の皆さまの力になるためコストの低減や省力化を狙って推し進める取り組みです。
新潟県五泉市、渡辺農園様にご協力いただき、実際の圃場で播種から収穫、販売まで実践し、「どれだけ省力化できたのか?」「いくら儲かるのか?」を追う一大プロジェクトです。
[導入編]の今回は、ドローン直播のメリット・デメリットとなぜ「DJI製農業ドローン✕直播栽培」に挑戦するのかについて紹介します。実際の直播や肥料散布などのスマート農業実践編に続く連載となりますので、ぜひ最後までご覧ください!
実際にドローンで行った直播の様子や詳細は[実践編]をご覧ください。米作りの省力化に挑戦!
「農業ドローン×直播」で本当に儲かるか?[直播実践編]
-もくじ-
1. 直播とは
2. なぜ移植栽培が一般的なの?直播栽培が難しい理由
3. 革新的なコーティング種子「リゾケア®XL」
4. DJI製農業ドローン×直播でどう変わるのか
5. まとめ・ドローン直播の紹介動画
直播とは
「ドローン✕直播と言うけど、『直播』って何よ」というところから説明します。「直播」と書いて、「ちょくは」「ちょくはん」などと読み、訓読みをすると「じかまき」です。
通常、水稲ではハウス環境で一定期間育てた苗を田んぼに移し替える「移植栽培」という方法が一般的です。対して、初めから田んぼに直接種(種籾)を播いていく栽培方法を「直播栽培」といい、苗を育てたり、田植えの作業が不要になります。
これは一般的な移植栽培のイメージで、ご覧の通り「田植え」作業が必要です。
こちらがドローンによる直播です。専用の種をドローンを使って自動で散播します。
なぜ移植栽培が一般的なの?
直播栽培が難しい理由
ハウスを建てて環境を整えた上で苗を育てる工程を省略して、初めから田んぼに直接種を播いていくのが直播栽培です。工程が少ないのであれば、なぜ直播が一般に広まらないのでしょうか。それは直播栽培では水の管理や散布する土の状態、鳥害対策など移植栽培に比べて技術的な要件が高いためです。
新潟県五泉市でも過去に一軒、直播に挑戦した方が居たとのことですが、収量が芳しくなく技術的な研鑽を積むに至らなかったとのことです。理論は素晴らしくても成果を上げるまでに長い修行期間が必要では、直播が一般化しないのは仕方がありません。
革新的なコーティング種子「リゾケア®XL」
上記の通り、高い技術力が求められる直播栽培ですが、そんなデメリットを払拭してくれる製品をシンジェンタジャパン株式会社様が開発しました。「リゾケア®XL(以下、リゾケア)」は、3種類の農薬を含むコーティングが施された種子です。
紫色のコーティングが付与された種子「リゾケア®XL」
従来直播用コーティングは農家さんが行う作業でしたが、リゾケアはコーティング済みの状態で売っているので、コーティングの失敗を心配する必要がありません。しかも、重り成分で種子が浮いてこない、酸素供給成分で泥に埋まっても窒息しない、殺菌・殺虫剤成分で病虫害リスクが軽減可能と、直播の課題解決の三要素がすべて揃っています。
特に泥に埋まっても窒息しないというのは素晴らしいメリットで、土中播種を(ある程度)許容してくるので、代かきを通常の移植栽培と同等か少し柔らかいくらいに仕上げ、その翌日に播種するというシンプルな作業工程で苗立ちを確保することができ、難しい調整や技術の研鑽が不要です。さらに種が窒息しないため播種直後に水を張って除草剤も播けるので、雑草が生えづらい環境を初めからしっかり作れます。
DJI製農業ドローン✕直播でどう変わるのか
リゾケアがとても優れていて、安心して直播に望めることがわかりました。そして、さらに確実にさらにラクにコストパフォーマンスを上げるため、農業用ドローンのシェアNo. 1で多くの農家さんや散布代行業者が使用する DJI Agras(ディージェイアイ アグラス)シリーズでの播種をぜひオススメしたいのです。
ここで改めて、移植栽培とリゾケア直播の作業手順を簡単に比べてみましょう。育苗の段階で場所や資材、手間が掛かるのに対して、リゾケアは買ってくるだけでOK。苗が育ったあと育苗箱を圃場に移したり、田植機での移植作業も必要ありません。さらに出穂直前には、稲の生育に合わせてドローンが肥料の量を自動で調整する「可変施肥」を用いてさらなるスマート化も可能です。※詳細は次回以降の記事でお見せしますのでお楽しみに!
※クリックで拡大します。
播種にしても、防除や肥料散布にしても、一貫してドローンを活用でき、自動航行で適切な範囲に適切な量を均一に、しかもドリフトさせることなく散布することが可能です。これこそが、DJI製農業ドローン✕リゾケアをおすすめする理由なのです。ドローンの操縦に難しい技術や訓練は必要ありませんので、すぐに省力化を実現します。
まとめ・ドローン直播の紹介動画
これまではその技術的要件の高さから、なかなか一般的にならなかった直播栽培。リゾケアの登場やDJI製農業ドローンの活用で非常に取り組みやすくなりました。次回以降の記事では、セキド農業チームが直播に挑戦した様子の具体的な手順やコツを交えたレポートや、気になるコストや収量など「本当に儲かるか?」についても紹介しますので、楽しみにお待ちください。
レポートの内容は既に動画になっております。代かきや、農業ドローンの自動航行の動きはより分かりやすいのでこちらも併せてご覧ください!
セキドでは、今回紹介した農業用ドローンだけでなく、測量や点検などで活躍する産業用ドローンや水中ドローン、一般の方も撮影で使う空撮用ドローンなど様々な取り扱い製品やサービスを紹介する無料セミナーやイベントを定期的に開催しています。なかなか目にする機会のない機材の動きや性能を実際見ていただける、導入検討中の事業者様に最適なイベントになっておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。
セキド農業チームでは、農業ドローンを始めとするスマート農業機材の販売だけでなく、その活用方法についてもたくさんのノウハウを持っています。環境や規模など様々な圃場に合わせたサポートが可能ですので、農業をスマート化したい、農業ドローンに興味がある、という方はぜひお気軽にご相談ください。