DJI Matrice 4シリーズを実機でレビュー![M4E 測量精度編]
こんにちは、産業用ドローン担当の鈴木でございます。
今回は、2025年1月8日22:00にDJIより発表された DJI Matrice 4シリーズについて、実際に製品を使って事前に行った精度比較や新機能の検証の内容をご紹介いたします。

DJI Matrice 4シリーズは、すでに産業用ドローンをお使いの皆さまから多く寄せられてきた
・レーザー距離計を搭載したらいいのに
・AI検知機能とかあればいいのに
・測量でもっと効率良く飛行ができないのか
といった要望をほぼすべて解決するオールインワンの性能を持っております。
実際に屋外で検証した新機能や測位精度のデータは下記の通りとなりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
Matrice 4T と 4E の2モデルからなる Matrice 4シリーズのスペック比較については、こちらのコンテンツをご覧ください。
フラッグシップ小型業務用ドローン
Matrice 4シリーズを詳しく解説!
[目次]
・Matrice 4シリーズの新機能
・Matrice 4E による精度検証
Matrice 4シリーズの新機能
自動航行中の撮影範囲の確認
自動航行中にどの範囲を映しているかがわかる画角が、確認できるようになりました。これにより、計測範囲がしっかり撮れているのかをリアルタイムで判断でき、撮り漏れを防ぐことができます。
下方ビジョンセンサー映像の表示
下方ビジョンセンサーの映像が確認できるようになりました。前後左右に加えて、下方の映像が確認できるようになったため、水平方向と下方の安全確認ができるようになりました。

レーザー距離計のリアルタイム反映
レーザー距離計を使用することで、対地距離を測ることができるようになりました。画面中心部に距離がリアルタイムで反映したことにより、離隔距離がどれほどあるのかを確認できるようになりました。

クイック設定が追加
クイック設定が追加され便利な機能が使えるようになりました。

1. タスク
こちらは機体の飛行方法の設定が行え、地図画面上で指定した位置に飛んでいくFly To などがあります。
2. 注釈
レーザー距離計を用いてリアルタイムで2点間の距離や面積などの計測を行えます。
3. クイック設定
各種の便利機能のON、OFFをワンタッチで切り替えられます。
送信機でのローカルマッピング
送信機上でローカルマッピングを行うことが可能になりました。自動航行で取得した写真データを送信機上で簡易構築を行うことができます。

ローカルマッピングから3Dキャプチャルートを作成
ローカルマッピングを元にスマート3Dキャプチャルートを作成できるようになりました。

Matrice 4E による精度検証
続いて下記の条件にて、Matrice 4E や既存の産業向けドローンを使って精度検証を行いました。
検証条件
場所: 春日部みどりのパーク(グラウンド内を計測)
天候: 晴れ
風速: 1~3m/s

使用機体:
DJI Matrice 4E

DJI Mavic 3E

DJI Matrice 350 RTK+Zenmuse P1

使用ソフト:
DJI Terra

詳細内容
・対空標識は「450mm×450mm」を設置
・座標取得は、FJD 測地GNSS受信機 RTK Rover V1 (IMUあり)で測定
FJD 測地GNSS受信機 RTK Rover V1 (IMUあり)
飛行設定
・GSD 1cm/px
・飛行速度 5m/s
・OL(オーバーラップ)80%、SL(サイドラップ)70%
・シャッター優先1/1000
・高度最適化:ON
・RTK測位(D-RTK使用)
GCP:検証点3点、標定点5点
機体名 | dx | dy | dz |
Matrice 4E | 0.007 m | 0.014 m | 0.015 m |
Mavic 3E | 0.013 m | 0.019 m | 0.006 m |
M350+Zenmuse P1 | 0.008 m | 0.01 m | 0.011 m |
GCP:検証点3点、標定点不使用
機体名 | dx | dy | dz |
Matrice 4E | 0.017 m | 0.047 m | 0.015 m |
Mavic 3E | 0.042 m | 0.037 m | 0.018 m |
M350+Zenmuse P1 | 0.038 m | 0.039 m | 0.013 m |
ドローン(UAV)による写真測量の結果として、他の機種と変わらない5cm以下の精度が確認できました。DJI Matrice 4E は、今までの機種と比べても問題ないスペックや性能となっております。
最大速度 21m/sでの計測結果
機体名 | dx | dy | dz |
M4E(標定点あり) | 0.009 m | 0.01 m | 0.021 m |
M4E(検証点なし) | 0.01 m | 0.012 m | 0.032 m |
最大飛行速度で計測しても、精度を確保しながら飛行することが可能です。シャッター間隔が0.7sから0.5sになったことにより、飛行スピードも上がり効率もとてもよくなりました。
※計測環境によって変動いたします。
Matrice 4E を使った検証を終えて
いかがでしたでしょうか。
新しく発売された DJI Matrice 4E では、新しい機能を使用することでより効率よく業務を行えるようになりました。特に今までであれば、データの確認や計測はデータの処理後に確認しておりましたが、レーザー距離計を用いた距離や面積のリアルタイム計測、画角のリアルタイム表示、送信機内でのローカルマッピングなど、現場で確認できることが増えたことにより、効率性が上がったと考えております。
これらの新機能によってリアルタイム確認が強化されたことにより、Matrice 4E はこれまで Mavic 3 Enterpriseシリーズを使われてきた皆さまとって、現場での懸念点をほぼすべて解決したモデルといっても過言ではないと思っております。
座標精度でも今までのドローンと同様の精度結果のため、測量業務などにご活用いただけます。新規で導入を考えている方や買い替えを検討されている方は、今回の検証結果を参考にぜひお気軽にご相談ください。
また、セキドでは今回ご紹介した Matrice 4シリーズなどの産業用ドローンによるインフラ点検や測量の現場を想定したデモを行う無料実演会、最新事例と撮影データ紹介する無料WEBセミナーなどを定期開催しております。横浜市金沢区の セキド DJI 横浜ドローントレーニングセンターを中心に各地で開催する実演会は、最新モデルによる実際の撮影データを確認することもできる、導入検討中の事業者様に最適なイベントになっておりますので、ドローンを使った業務効率化に興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。