Zenmuse L2の新機能「送電線フォローモード」とは?新機能を検証しました!
こんにちは、産業用ドローンを担当している吉田です。
今回は、深空株式会社と協同で、高精度なレーザー測量を効率的に行うドローン搭載LiDARソリューションの DJI Zenmuse(ゼンミューズ) L2 で、アップデート(Ver. v03.00.00.05)にて新しく追加された「送電線フォローモード」を検証してきましたので、その方法と効果をご紹介いたします。従来の手動での煩雑な操作を大幅に簡略化し、効率的な送電線の点検作業が可能になる機能となっておりますので、皆さまの業務にもぜひお役立てください。
深空株式会社とは
深空株式会社は、西日本で初めてDJIの正規販売店として大阪にオープンした、DJI認定ストア 大阪 を運営されています。空撮用カメラドローンや産業用ドローンなどのDJI製品を取り扱っています。
Zenmuse L2 の送電線フォローモードとは
送電線や配電線を自動で認識し、電線との間隔を保ちながら自動で電線の真上を飛行するモードです。事前にウェイポイントなどの飛行ルートを設定する必要がなくなり、迅速かつ正確な飛行が可能になるため、作業者の負担が大幅に軽減されます。
送電線フォローモードの使い方
1. 手動で飛行
Matrice 350 RTK+Zenmuse L2 を送電線の真上まで手動で飛行させ、送信機の画面左側にある送電線フォローモードを開きます。
2. 各種設定の変更
現場に応じた設定を行います。送電線の種類に応じて配電線または送電線のモードを選択し、飛行速度やジンバルのピッチ(角度)も調整可能です。これにより、様々な現場のニーズに合わせて柔軟に対応できるのがこのモードの強みです。
3. IMUキャリブレーション
精度を高めるためにIMUキャリブレーションを行います。これによりデータの精度を確保した測定が可能です。
4. 飛行方向の選択と自動飛行
送電線フォローモードでは機体がカメラ画角内の送電線を自動で認識し、画面上で青くマーキングします。操縦者は飛行させたい方向の送電線を選択するだけで、機体が自動で計測飛行を開始します。これにより複雑なルート設定の手間が省け、より効率的に作業を進めることができます。
5. 自動飛行中の高度維持
機体は送電線との間隔を常に維持しながら安全に飛行します。これにより、送電線への衝突リスクを回避して安定した計測作業が可能になります。送電線は完全な水平ではなく、部分的に垂れ下がっています。そのような部分では機体が高度を下げ、送電線との間隔を維持したまま飛行します。送電線の垂れ下がった幅を把握して間隔を維持したフライトルートを事前に作成することは、従来ほぼ不可能でした。
6. キャリブレーションを行い飛行ミッションの終了
飛行終了地点で再度キャリブレーションを行うことで、データの精度を確保し、ミッションを安全に完了させます。
LTEでも試してみました
今回、Zenmuse L2 を使用した点検飛行では、送電線が遠隔地に広がり、山間部などで電波が途切れやすい環境でした。しかしLTE通信を使用することで、これらの環境下でも安定した通信が確保でき、送信機と機体の接続が途切れることなくスムーズに飛行できることが確認されました。
これにより、送電線が伸びる長距離のエリアや電波の届きにくい過酷な環境においても、安定した操作が可能となり、点検業務の範囲が大幅に広がるという大きなメリットが得られます。
送電線フォローモードを検証結果
今回の検証では Zenmuse L2 に新たに追加された送電線フォローモードを使用することで、従来必要だった事前のルート作成や手動操作が不要になり、短時間で安全かつ効率的に送電線の点検飛行ができることを確認しました。設定も直感的で使いやすく、ルート設定に苦戦している電力業者の方にはぜひお使いいただきたい機能となっております。送電線を含めた点検業務へのドローン導入に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
送電線フォロー機能についてのお問い合わせはこちら産業用ドローン お問い合わせフォーム
03-5843-7836(月~金 10:00~17:30)
また、セキドでは今回ご紹介した Matrice 350 RTK&Zenmuse L2 などの産業用ドローンによるインフラ点検や測量の現場を想定したデモを行う無料実演会、最新事例と撮影データ紹介する無料WEBセミナーなどを定期開催しております。横浜市金沢区の セキド DJI 横浜ドローントレーニングセンターを中心に各地で開催する実演会は、最新モデルによる実際の撮影データを確認することもできる、導入検討中の事業者様に最適なイベントになっておりますので、ドローンを使った業務効率化に興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。