点検効率が段違い!赤外線ドローンを使ってソーラーパネルを点検しました
こんにちは。セキド産業用ドローン担当の鈴木です。
今回は、株式会社旭テクノロジー様にご協力いただき実施したソーラーパネル点検を例に、産業用ドローンを使用した最新ソリューションによる点検方法をご紹介します。
近年、ドローンは様々な現場で利活用がされており、ソーラーパネル点検もその一つです。ドローンを使用することでソーラーパネルの点検を効率的に行うことができます。
従来の点検では、作業員が太陽光パネル一枚一枚を時間をかけて確認をしていましたが、ドローンで空から撮影/確認することで、目視での確認や修理が必要な場所を素早く発見でき、効率的に点検が可能です。
本記事では、実際に行ったドローンを使ったソーラーパネル点検から、どのような方法で、どれくらい時間が掛かったのかを見ていきましょう。
株式会社旭テクノロジー
まずは今回ソーラーパネル点検にご協力いただいた株式会社旭テクノロジー様は、工場などの産業用プラント事業・ソーラーパネルや風力発電などの再生可能エネルギー事業・ドローン事業を行っている会社になります。さらに、ドローン事業の一環として、ドローン操縦士を養成するための学校「ドローン マスターズ スクール(DMS)」を運営されています。
空撮・農薬散布・インフラ点検などのドローン・ソリューションの提供、各種ドローン本体や周辺機器の販売・メンテナンスなど幅広く行っており、今回は再生可能エネルギー事業とドローン事業の兼ね合いで、ソーラーパネルの点検に同行させていただきました。
各地でドローンの講習や販売も行っておりますので、ご興味がある方はぜひお近くの店舗にお問合せいくださいませ。
ソーラーパネル点検とは
ソーラーパネル点検とは、ソーラーパネルの汚れや破損、太陽光から正常に電力が変換されているのかなどの確認を行う業務です。
ソーラーパネルには、太陽光から正常に電力を変換できないと「ホットスポット」と呼ばれる不具合箇所が発生します。ホットスポットでは異常発熱が起こるので、赤外線カメラを使用して温度情報から確認することで、異常発熱の場所を判別するためのあたりを付けることが可能です。ホットスポットを放置してしまうと、発電量の低下や火災のリスクに繋がりますので、早急に発見する必要があります。また、赤外線カメラによる温度情報からではわからない汚れや破損は、可視光カメラと使い分けることで、より正確に判断することが可能になります。
今回の点検では、赤外線オルソ画像をもとに点検を行いましたので、続いて詳細をご覧ください。
ソーラーパネル点検の準備
点検の流れ
点検を行うにあたって、ソーラーパネル全体を撮影しオルソ画像を作成します。オルソ画像とは、上空から撮影した写真を歪みや傾きのない正しい大きさで合成した画像のことを言います。オルソ画像を使うことで、対象全体の確認をスムーズに行いホットスポットの場所にあたりを付けることができます。あたりを付けた場所は、最終的に作業員が向かい不具合等を判断します。
以上が基本的なソーラーパネル点検の流れになります。
使用機材
・機体 :DJI Matrice 350 RTK
・カメラ:DJI Zenmuse H20T
・アプリ:DJI Pilot 2
・後処理ソフト:DJI Terra
ソーラーパネルの点検方法
1. DJI Pilot 2 を使って自動飛行ミッションを作成
まず、アプリ上で点検エリアすべてを囲むように自動航行のルートを作成します。
広いエリアの場合は分割して作成することも可能で、飛行エリアの起伏が激しい場合は地形フォローを利用し、同じ対地距離で飛行を行います。
地形フォローの詳細については、こちらの記事をご覧ください。
地形に合わせて高度を自動調整!
DJI Terra×DJI Pilot2 の地形フォロー機能を紹介
2. 撮影の詳細を設定
次にGSD(地上画素寸法)やラップ率などの設定を行っていきます。
今回は以下の設定で撮影いたしました。
※GSDとは『地上画素寸法』のことで、写真の1pixelを実際の対象物の何センチで画像を作成するのかを選択できます。
高度 :33.8m
オーバーラップ率:50%
サイドラップ率:50%
飛行範囲:35535.5㎡(範囲としては、野球場の約3.5個分と同じぐらい)
飛行時間:18分25秒
写真枚数:548枚
今回のソーラーパネルでは、セル(ソーラーパネルの最小単位)の大きさが約9×9㎝でしたので、GSDを3㎝にすることで、3pixel×3pixelで1枚ソーラーパネルを確認できるように設定しました。
3. ソーラーパネルの撮影
作成したミッションでドローンを飛行し、ソーラーパネルの撮影を行います。
4. 撮影データからオルソ画像を作成
撮影後はデータの処理を行い、オルソ画像を作成します。
構築時間:7分1秒
※PCスペックによりますので、参考値になります。
DJI Terra でのオルソ画像の作成時間は、設定を含めても約10分で作成することができました。実際に作成したオルソ画像がこちらになります。
GSDを3cmに設定することで、しっかりとホットスポットの場所が確認できます。このようにホットスポットを瞬時に見つけ、数ヵ所のあたりを付けることができました。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回の現場は作業員がソーラーパネルを1枚1枚点検する場合、約1ヶ月の期間が想定されており、人の目で確認するため見落としも懸念されました。ですが、今回はドローンを使用することで見落としもなく、飛行時間:約20分+構築時間:約10分、計30分でソーラーパネルの不具合箇所にあたりを付けることができました。最終的に作業員が数ヵ所の不具合箇所を回る必要はありますが、撮影の仕方やソフトの使い方も難しいことは一切しておりません。飛行範囲を設定し、自動航行の撮影方法を決めれば撮影は自動で完了します。あとはデータファイルをソフトに入れて、構築を待つだけで点検することができました。
これだけ簡単で、なおかつ作業時間を短縮して費用も抑えることができるドローンを使ったソーラーパネル点検、ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか?横浜市金沢区の セキドDJI 横浜ドローントレーニングセンターを中心に各地で開催する実演会は、導入検討中の事業者の方に最適なイベントになっておりますので、ドローンを使った業務効率化に興味をお持ちの方は、お気軽にご参加ください。
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