【重要】水中ドローン(ROV) 着水前の確認事項・クリーニング方法・自動洗浄機能・保管について
水中ドローンについてはご利用前の安全確認及び、ご利用後のメンテナンスが必須となります。
下記にご案内がございますので、ご確認の上、ご利用をお願いいたします。
なお、CHASING M2シリーズをご利用の方は専用ページがございますので、下記のリンクからご確認ください。
CHASING M2 / CHASING M2 PRO 着水前の確認事項・クリーニング方法・自動洗浄機能・保管について
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_210608_001/
<着水前の確認事項>
水中ドローンは精密機器となります。本体のメインユニットやバッテリー接続部分など防水性能を持っておりますが、着水前に安全確認を怠ると浸水などの影響により故障や全損の原因となります。また、ご利用による劣化や経年劣化は避けられませんが、お手入れ・適切な管理をいただくことにより劣化を抑えることは可能です。
正常に動作するかも着水前に安全のためご確認ください。
※過度な砂や泥などが滞留している環境でのご利用は著しい劣化・破損の原因となります。海水・淡水での利用を前提としております(目安として、河川や海のpH値と同様のpH6〜8の範囲内)。薬品への耐性はないため化学薬品等が混ざった水中でのご利用はいただけませんのでご注意ください。
※ご利用の現場が、製品性能の範疇で利用可能であるかをよく吟味してくからご利用ください。性能を超える現場は製品の破損だけではなく予期せぬ事故につながります。
チェック事項
(1)水中ドローンは水圧がかかるため、少しの隙間でも水が入り込み、浸水し全損につながります。
・バッテリーは正確に取り付けた上で、ロックはかかっていますか?
・接続端子はしっかりとねじ止めで取り付けられていますか?
・各接続端子(バッテリー取り外し式の場合、バッテリー端子を含む)は濡れていませんか?濡れた状態でのご利用は短絡破損の原因となります。
・SDカードスロットの防水キャップはしっかり閉まっていますか?少しでも緩みがあれば、水圧により浸水し破損いたします。
・起動時は水平な場所で起動してください。(不安定な場所、斜面で起動するとジャイロセンサーに悪影響が出て水中での動作が不安定になります)
・船の上など不安定な場所でのキャリブレーションを行うと水中での動作が不安定になります。事前に地上の安定した場所で実施してください。
・コントローラー/テザー巻き取り機(テザーリール)など、防水でないものは水濡れが無いようにご注意ください。つきまいてはテザー巻き取り機は水辺から最低でも2mは離れた場所においてください。また、テザー巻き取り機はビニール袋を被せるなど工夫いただくと、水濡れを防ぐことができます。巻き取る際は清潔な乾いたタオル等でテザーを拭いながら行ってください)
・バッテリー残量は問題ないですか?
・全てのモーターが動きますか?(地上での動作確認は数秒で終了してください。水中ドローンのモーターは、水中での利用を想定して設計されております。地上での長い動作は、発熱等により故障の原因となります。)
・ライトは点灯しますか?(地上での点灯確認は数秒で終了してください。水中ドローンのライトは、水中での利用を想定して設計されております。地上での長い点灯は動作時の発熱等により故障の原因となります。LEDの止水Oリングが熱で解けて、浸水破損いたします。特に日中は本体の外観でLEDが点灯しているか点灯していないか解りづらい時があります。FIFISHはコントローラーのLEDライトのスイッチがOFFになっていることをご確認ください。)
※機種によっては地上でのモーター回転、ライト点灯はNGとなるものもございます。ご注意ください(該当機種例:FIFISH W6)
・BlueROV2について、LEDライトのフロントガラス固定ネジ、エンクロージャーのネジに緩みはありませんか?緩みがあれば適度な締め増しを行ってください。
・SDカードおよび本体ストレージに撮影データは記録されますか?
・映像転送に大幅な遅延はありませんか?
・方位計・傾斜計は正常ですか?
・テザーは機体のバックルブラケットに掛け、テンションをかけて締め付けられていますか?
・操作人員はオペレーター(操縦者)と補助作業員(テザー巻き取り係)の最低でも二名以上の体制で実施しましょう。運用中、補助作業員(テザー巻き取り係)はテザーを機体の動きに支障がでない程度の張り具合に常に調整しましょう。テザーケーブルが出過ぎていると障害物等に絡まる可能性が高まります。操縦者とコミュニケーションを取りながら調整していきましょう。
・陸上の製品と同様に水中ドローンも衝突によって破損いたします。
水中では壁面などへの衝突にご注意ください。機体を衝突させた場合は、破損の原因となりますのでご注意ください(ボディーの傷・破損・LED破損・カメラ破損・メインユニット破損等)
・バッテリーの性能は温度に左右されますので、特に低温環境下でのご利用および、冬場についてはご利用前はなるべく外気に触れない様に運搬いただき、室温程度に保温することで若干利用時間が伸びる可能性もございます。下記も合わせてご参照ください。
水中ドローン(ROV) スペック値よりも利用時間が短い時があります。なぜですか?
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_211123_002/
上記ご確認の上、着水をしてください。着水時は、静かに水面に浮かべてください。(投げる、高いところから水面に落とすと破損いたします)
動作異常が確認できた場合はご利用を中止してください。
<クリーニング方法について>
水中ドローンは一般的なダイビング機材と同様に「海水・淡水での使用にかかわらず、真水で洗って十分に乾かす」ことが重要となります。
この工程を怠り、一晩放置した場合でも劣化が進みサビや可動部内の塩の結晶化による固着、汚れや異物の混入により動作不良を起こすことがあります。
よって、海水または沈殿物のある環境の淡水でご利用の際は必ずご利用後に必ず自動洗浄を行ってください。その後、十分な乾燥を行なってください。
前述の通りお手入れをおよび乾燥を怠った場合、利用回数に関係なくモーターの劣化、及びモーター固着、故障の原因となります。
モーターの固着原因については下記をご参照ください。
水中ドローン(ROV) モーターが固着して動きません
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_230118_001
次にご利用後の洗浄についてご案内いたします。
(1.)真水での洗浄
ご利用後はすぐに真水で機体全体を洗い流していただき、綺麗な乾いたタオルで拭いてください。
テザー接続部分は乾いた清潔な布で拭いてから取り外してください。水分を拭き取った後にエアダスターなどで残った水分を飛ばすとより安全に取り外しいただけます。
・コントローラーやパソコン、テザー巻き取り機は防水ではないので水がかからないようにご注意ください。テザー巻き取り機はビニール袋を被せるなど工夫いただくと、水濡れを防ぐことができます。巻き取る際は清潔な乾いたタオル等でテザーを拭いながら行ってください。保管時も濡れたものと一緒に保管をしないようにご注意ください。
(2.)真水に浸しての洗浄
ご利用後はお風呂場や大きめのタライ(ネット通販で「角型タライジャンボ」というキーワードなどで検索すると出てまいります。)をご用意いただき、「真水」に60分程度浸してください。海水を落とすには、「ぬるま湯」がさらに効果的です。
浸した後に真水の中でモーター内部を洗浄するようにモーターを回転させて洗浄してください。
10分間以上の運転を真水の中で行うことを強くお勧めいたします。海での利用の際は上記の洗浄を水を交換して合計2回繰り返し行ってください。
※洗剤や溶剤は使用しないようにお願いいたします。破損原因となります。
機種によってはアプリ内に自動洗浄機能が搭載されているので、そちらをご利用ください。
下記は一度現場で真水で洗浄した機体を洗浄した後の様子です。砂や砂利が排出されること解ります。
簡易的な洗浄のみでは不十分なので、必ず浸け置き洗浄を行ってください。
(3.)乾燥及び水抜き
機体内側やモーター付近に水を溜めないように拭いていただくか、少し本体を動かして水を抜くようにしてください。
モーターを動作させると水が出る場合があります。その上で、綺麗タオルで水滴を拭いてください。
(モーターを摩耗させないように、5秒以上空気中でモーター動作をさせないようご注意ください)
※機種によっては地上でのモーター回転、ライト点灯は一切NGとなるものもございます。ご注意ください(該当機種例:FIFISH W6)
乾燥方法については浴室での乾燥の際は浴室乾燥機などを動作させての乾燥をお勧めいたします。
直射日光下での乾燥は劣化の原因となりますのでおやめください。
(4.)保管方法
保管方法については上記にも記載がある通り、十分に乾かした上で保管をしてください。
外装が乾いていてもモーター内部に水分が残っている場合がございます。本体を振ったり、モーターを少し動作させて水分が残っていないか確認をしてください。
濡れた本体やその他機材や、内部が湿った保管ケースなどに保管してしまうと劣化の促進と故障の原因となります。
特にまた、テザーリールやコントローラーは防水ではないため、多湿な環境での保管でも劣化・破損の要因となります。
保管時は乾燥剤などを入れていただくことをお勧めいたします。
水中製品については、メンテナンス後の保管をしていた場合でもパーツの経年劣化そのものを完全に抑えることができません。(特にパッキンなどのシリコンパーツやモーター内部など)
つきましては、機材確認・機器内部にカビ発生防止、またバッテリーの動作及び残量確認のため1ヶ月に1回は起動いただき、モーターが動作するか確認をしてください。(地上でのモーター回転は5秒以内に留めてください)
ご利用予定がない場合でも、定期的に接続してモーターを動作させることで固着を防ぐことができます。
各端子のOリングについては定期的にグリースメンテナンスを行っておください。グリースについては以下にご案内がございます。
水中ドローン(ROV)接続端子のOリングに塗るグリースは何が良いですか?
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_221213_067/
バッテリー保管については以下をご確認ください。
【重要】水中ドローン(ROV) バッテリー取り扱いの注意点
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_230117_003/
付録
水中ドローン(ROV)の利用前・利用後チェックシートを用意いたしました。
ご利用時にご持参いただき安全なご利用をいただければ幸いです。
水中ドローン利用前・利用後チェックシート(PDFファイル・転載・再配布禁止)
水中ドローン保険について
エアロエントリー株式会社様にて QYSEA FIFISH / CHASING に対応した保険の販売がございます。
対人対物等に対応した「賠償責任保険」と、操作ミスによる破損等に対応した「機体保険」がございます。
また、QYSEA FIFISH の対象製品については「無償付帯賠償責任保険」に1年間無償で加入できるサービスがございます。ご自身での加入手続きが必要なため、ご確認の上、お手続きをお忘れないようにお願いいたします。保険についての詳細およびお問い合わせは保険取扱店 エアロエントリー株式会社 のホームページをご確認ください。
エアロエントリー株式会社 水中ドローン保険
https://rov.aeroentry.jp
【参考資料】
光学機器を用いた新技術導入検討調査 報告書
光学機器を活用した 水産基盤施設の点検の手引き
水産庁が公開している水中調査利用における光学機器の検証報告書および、ガイドラインです。この中で QYSEA FIFISH V6 S / QYSEA FIFISH V6 PLUS の有用性が報告されております。ぜひご覧ください。
※水産庁の資料に記載の内容は、製品性能を保証するものではございません。
※当記事の無断での複製、改編、転載、二次利用などは一切禁じます。
※記載内容は公開時点での仕様に基づいています。バージョンアップなどにより記載内容と異なる場合があります。
※記載事項は予告なく変更となる場合があります。