約10カ月続くネギ栽培の防除負担を、1日作業から15分へ。WFG・獅子内珠羅さんに聞く、ドローン防除の実践ポイント
群馬県は全国有数のネギ産地。しかし、その栽培には「防除」という大きな課題があります。今回は、群馬県を拠点にドローン講習や農業活用を支援する有限会社ワールドファニッシング・グループ(WFG)のドローンインストラクター・獅子内珠羅さんに、ネギ栽培におけるドローン防除の効果や導入時のポイントについて伺いました。

「手作業の限界」をドローンで突破する
―― ネギ栽培において、薬剤散布(防除)はどのような負担になっているのでしょうか?
獅子内さん:ネギは栽培期間が約10カ月と長く、さらに梅雨や秋雨の時期は湿気で病気(べと病や黒斑病など)が出やすいため、こまめな防除が欠かせません。
従来の動力噴霧器による手作業だと、重いホースを引き回しながら、泥に足を取られつつ長時間歩き回る必要があります。これは体力的に非常にハードで、特に夏場の作業では熱中症のリスクも伴います。
ドローンを活用すれば、上空からの散布により作業時間を大幅に短縮できます。「1日かかっていた作業が15分で終わった」という声を聞くこともあり、省力化の効果を実感しやすい分野です。
「生育ムラ」を見逃さない、センシングの力
―― 散布以外にも、ネギ栽培に役立つ技術はありますか?
獅子内さん:はい。重要なのが「センシング(生育モニタリング)」です。ネギは圃場の中で生育にムラが出やすい作物ですが、ドローンで上空から撮影し、解析することで、生育が遅れている箇所やpH値の異常など圃場内の状態の違いをマップとして可視化できます。
たとえば、特定の場所だけ石灰資材の量を調整するといった、ピンポイントな対策が可能になります。結果として、圃場全体の秀品率を高めることにもつながります。データに基づく管理は、ベテランの経験を数値化し、次世代へ繋ぐツールにもなります。
ドローン防除、導入の「壁」をどう乗り越える?
―― 導入を検討している農家さんが、特に気にされる点はどこですか?
獅子内さん:やはり「コスト」と「技術習得」です。ドローンの機体代や維持費は安くありませんが、作業時間の短縮による人件費の削減や、適時防除による収量アップを考えれば、投資価値を検討しやすい分野だと考えています。
また、「操作が難しそう」という不安もよく耳にします。そのため、私たちWFGでは、単に機体を販売するだけでなく、国家資格の取得から現場での実践的な講習までをトータルでサポートしています。
特にネギのように背丈のある作物では、散布時の高度やスピードの調整が重要です。そうした現場で必要なコツを、直接お伝えするようにしています。

地域一丸となって進める「持続可能な農業」
―― 最後に、今後の展望を教えてください。
獅子内さん:農業の担い手が減る中で、今の規模を維持していくためには、機械化・スマート化は避けて通れません。ただ、一人で抱え込む必要はないと思っています。
地域の農家さん同士で共同利用したり、私たちのような専門業者に防除を委託したりと、いろいろな形があります。ドローンはあくまで「道具」ですが、それを使うことで農家さんの自由な時間が増え、よりクリエイティブな農業に専念できる。そんな環境を、ここ群馬から広げていきたいです。
【プロフィール】
獅子内 珠羅(ししない じゅら)
1997年青森県生まれ。元みどり市地域おこし協力隊。現在は有限会社ワールドファニッシング・グループにて、ドローンインストラクターとして操縦指導やスマート農業の普及に尽力している。

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使用する作物、ほ場面積、散布したい薬剤・粒剤、運用時期などを伺いながら、用途に合った機体選定や運用方法をご案内します。DJI Agrasシリーズの導入相談、見積もり、デモ、講習についても対応しています。

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