十勝・帯広の大規模農業を支える農業ドローン散布の現場力|中屋工房インタビュー
こんにちは。セキド農業チームの宮田です。今回は、北海道・十勝エリアを中心に農業ドローンによる散布請負を手がける中屋工房にお話を伺いました。
中屋工房は、帯広を拠点に農業ドローンを活用した散布作業を行う事業者です。現場ではDJI Agras T25、DJI Agras T50に加え、新たにDJI Agras T70Pを導入し、十勝エリアの大規模ほ場に対応した作業効率と散布精度の向上に取り組んでいます。本記事では、中屋工房の中谷氏へのインタビューを通じて、農業ドローン導入のきっかけ、現場での運用、散布精度へのこだわり、今後の可能性を紹介します。

中屋工房の原点と現在の事業規模
――まずは、十勝・帯広エリアで農業ドローンによる散布請負を手がける中屋工房について教えてください。現在の事業規模や、中谷さんがドローン請負を始めたきっかけも伺えますか。
中谷: もともとは帯広出身の農家です。一時期実家を離れて富良野などの地方にいたのですが、米どころの富良野で、農業ドローン「DJI AGRAS T20」を使って稲の防除を行う現場を手伝う機会がありました。その時の体験が、個人事業主としてドローンオペレーターになると決めたきっかけとなりました。
それまでは正直「あんな小さなラジコンで何ができるのか」と思っていました。十勝はトラクターが主流で、2,000〜3,000リットルの作業機が当たり前。そんな中で「20リットル」と言われてもピンときていませんでした。でも、実際に1ha(約1町)の作業を5分ほどで終える光景を見て、「10分あれば2町終わるのか」と新鮮な驚きと衝撃を受けました。それがDJIドローンとの出会いでした。
――現在の事業規模と導入機体を教えてください。
中谷: 面積で言うと、昨年は900〜1,000ha弱。粒剤に関しては32トンを撒いています。
現在は、DJI Agras T25が2台、DJI Agras T50が1台、この春から新たに導入したDJI Agras T70Pが1台の計4台体制で散布を行っています。

DJI Agras T70Pを選ぶ理由
――数ある機体の中で、DJI T70Pを選ぶ理由は何ですか?
中谷: まず十勝・帯広では大型ドローンが不可欠だと考えています。T25の場合、反20kgの散布では1反分で補給が必要になります。一方、T70Pであれば3反分の作業をまとめて行うことができる。つまり「大きければ大きいほどいい」、となると自ずと選択肢が絞られ、さらにアプリが直感的に使いやすいとなると、必然的にDJIになると考えています。
――今回、最新のT70Pを使ってみた率直な感想はいかがですか?
中谷: 率直に言えば、作業効率は大きく高まります!
昨年はT25で32トン撒きましたが、どうしても「1袋入れて1町、戻って補給」の繰り返しでした。それがT70Pなら3袋一発で入れて、3町終わって帰ってくることができる。補給回数を抑えられるため、1日に対応できる作業量も大きく増えます。それでいて散布精度も高い。撒きたい量を適正に、誤差少なく撒ける。これまでの世代にはなかった素晴らしい機能だと感じています。正直、100kgクラスがあれば、さらに2トン多く撒ける計算になるので、メーカーには期待したいところですね。

現場で重視するRTK精度と手動・自動飛行の使い分け
――現場でのオペレーションで意識していることや、RTK導入による精度の違いについて教えてください。
中谷: 当初は「Mavic 3M」で測量してマップを作ってから散布していましたが、今はやり方を変えています。現場では直前にキャンセルが出たり、逆に「うちも撒いてくれ」と新規依頼が来たりします。そうなると事前の測量マップが無駄になるんですね。
今は、現場で状況を確認しながらその場でマッピングする方法が、最も効率的だと感じています。
ただし、RTKは現場運用に欠かせない要素です。手動で飛んだラインと自動生成されるマップがずれて、枝に寄ってしまうのは困ります。「RTKありき」のマッピングが前提と考えています。

農業ドローンの新たな可能性:トラクターが入れない時期こそ主役
――今後の課題や、ドローンの可能性をどこに感じていますか?
中谷: 当初は液剤散布を考えていましたが、十勝では追肥や融雪剤などの「粒剤散布」の需要が圧倒的です。
可能性を感じるのは、「トラクターが入れない時期の作業」ですね。雪解け時期、クローラーのトラクターでも小麦を傷めてしまうようなぬかるんだ畑でも、ドローンなら空中から融雪剤や追肥が撒ける。
畑を傷めずに、最適なタイミングで肥料をあげる、小麦の色が悪くなる前にドローンで対応できる、など今はいろんなアイデアを出し合って、ドローンでできることを模索している一番楽しい時期かもしれません。

散布精度へのこだわりと、次世代オペレーターへのメッセージ
――他社にはない「中屋工房」ならではのこだわりは何ですか?
中谷: 一つは「流剤の散布精度」です。私の活動地域で、規定量に対してプラス3〜5%に収める精度をきっちり出せる業者はまだ少ないと考えています。例えば「大豆畑の収穫前に小麦の種を撒きたい」という依頼がありましたが、他の業者が断る中でうちは引き受け、結果的に大豆収穫後に立派な小麦畑を作ることができました。
もう一つは「作業効率の追求」です。200リットルタンクに攪拌ポンプを積み、現場でまとめて薬液を作る設備を整えています。これにより、1日60ヘクタールの防除も可能になります。
――最後に、導入を迷っている農家さんや次世代のオペレーターへメッセージをお願いします。
中谷: 「ドローンを使って1年を通して何をしたいか」を具体的に洗い出すことが大事です。自分の畑の作業で、効率が悪くてもドローンがあった方がいいのか、積極的に置き換えるべきなのか。
人の手で行っている作業をドローンに置き換えることで、作業効率を大きく高められる場面があります。また、トラクターが入れない状況では、有力な選択肢になります。
オペレーターに求められるのは、機械任せにせずアナログな部分(袋の数やマップの正確さ)で誠実に対応できること。手動も自動も使いこなせるスキルを磨くことが、これからの現場では必要になると思います。
――ありがとうございました。
中谷: ありがとうございました。……あとは、さらなる大型機にも期待したいですね(笑)
まとめ
十勝・帯広エリアのような大規模ほ場では、作業量、補給回数、散布精度、現場判断の速さが農業ドローン運用の重要なポイントになります。
中屋工房では、DJI Agras T25、DJI Agras T50に加え、DJI Agras T70Pを導入することで、粒剤散布や追肥、融雪剤散布など、十勝の農業現場に合わせた効率的な運用を進めています。
特に、トラクターが入りにくい時期や、畑を傷めずに作業したい場面では、農業ドローンが有力な選択肢になります。機体性能だけでなく、RTKを活用した正確なマッピング、手動・自動飛行の使い分け、現場ごとの判断力が、安定した作業品質につながります。
農業ドローンの導入を検討する際は、機体の大きさや散布能力だけでなく、「年間を通してどの作業に活用するか」を整理することが重要です。
十勝・帯広エリアで農業ドローンによる散布作業を検討されている方は、中屋工房へご相談ください。
中屋工房では、地域のほ場条件や作業時期に合わせた散布請負に対応しています。粒剤散布、追肥、融雪剤散布など、トラクターが入りにくい時期の作業や、大規模ほ場での効率的な散布を検討している方は、まずは作業内容や面積をご相談ください。
農業ドローンの導入や散布作業の効率化を検討されている方は、セキドまでご相談ください。
使用する作物、ほ場面積、散布したい薬剤・粒剤、運用時期などを伺いながら、用途に合った機体選定や運用方法をご案内します。DJI Agrasシリーズの導入相談、見積もり、デモ、講習についても対応しています。

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