こんにちは。セキドの池田です。
今回は、先日発売された DJI Neo を実際に使ってみてのレポート記事です。GNSSが受信できない体育館の中でドローンを飛ばし、天井設備にカメラを向けてどのくらい鮮明に撮影できるかを実際にテストしてきました。ふとした思い付きで、テーブルの下にNeoをくぐらせた時に「これなら狭い場所もいけるんじゃないか」と思って検証することになり、今回の記事を書くに至りました。
室内点検用に Neo を導入検討している法人様を中心にお読みいただければと思います。
また、Neo の機体そのものについての一般的なレビューは下記にて掲載しています。必要に応じてお読みください。
DJI Neo 最速実機レビュー!AIで撮る空飛ぶVlogカメラを飛ばしてみた
狭所点検ドローンに必要な能力とは
まず、「そもそも狭所点検にドローンを使う場合、どんな性能のものが良いのか」ということについて考えてみましょう。ドローン歴6年目となるわたくし池田が導き出した答えは、以下の4点です。
・ボディが小さい
・カメラの可動域が広く、鮮明に撮影できる
・自動ホバリングで15分間以上飛行できる
・ドローンー送信機間の電波通信が安定している
まず、狭所点検ですからその字の通り「狭い場所」に入れなくてはなりません。Neoは130×157×48.5 mm(長さ×幅×高さ)の手のひらサイズドローンで、機体重量は約135gです。
撮影時の自由度に直結するカメラ可動域は-90°から+60°で、真上方向を向くことにも対応しています。ズーム機能こそ使えませんが、静止画は1200万画素での撮影が可能です。これは一般的なスマートフォンのカメラと同じくらいの画素数ですから、スマホやタブレットで見るくらいなら十分な性能でしょう。
また飛行性能の面では、高度な自動ホバリング性能は欠かせません。特にドローン自体が発する風の影響で本体が壁や天井に吸いついてしまい、姿勢が崩れて使い物にならない機種も世の中には多いそうです。また点検箇所をじっくり見たいのに、わずか数分でバッテリー切れを起こすようではストレスになります。最低でも10分間、できれば15分間以上のフライト時間を確保できると余裕も持てそうです。
安定した電波通信機構を有していると、ドローンー送信機間に壁が挟まるような環境でも電波ロストを予防できます。撮影中は破損個所をすばやく特定するためにも、映像伝送は安定していてほしいですよね。
DJI Neoで天井設備をテスト撮影
それでは撮影に移りましょう。実際に弊社横浜拠点にある体育館内で Neo を手動で飛行させ、撮影してみました。Neo だけで撮影したデータを1分40秒ほどの動画にまとめましたので、ご覧ください。とくに動画の01:00あたりでは、カメラの可動域をテストして真上方向~水平~機体の真下と撮影しています。機体が安定して飛行しているのもお分かりいただけるかと思います。導入前の参考になりますと幸いです。
Neo は動画はもちろん、写真も撮影できるのでこちらもご覧ください。まずは体育館の天井近くまで上昇し、室内全体を撮影しました。
壁に近付いて、接写してみました。塗料のひび割れがありますね。
続いて、天井方向の撮影です。照明器具や通気口らしきパイプを確認することができます。飛行が安定しているので、ブレずに簡単に写真を撮ることができました。
天井にあった換気ダクトらしき部分にギリギリまで近付き、中を覗いてみました。中は薄暗いため写真にはわずかにノイズがのっていますが、内部を視認できないほどではありません。このサイズのカメラにしては十分な撮影能力と言えるでしょう。
また、フライト中は送信機経由でドローンのカメラ映像をリアルタイムで確認可能です。現在の飛行高度(左下)、残りフライト可能時間(右上)、カメラ設定(右下)なども表示されています。
結論
ということで、上記より「DJI Neo は天井設備点検に使用できる」と結論付けて問題ないと思います。全体を通して飛行も安定していましたし、カメラの可動域も広かったので、見たい部分はほぼ確認することができました。また、フライトモードにはCINEモード(飛行速度が通常に比べ、ゆっくりになる飛行モード)も搭載されていますので、「丁寧に確認したいから、今は繊細な操作がしたい!」というときでもパイロットの意図に機体が応えてくれます。ちなみに、バッテリー本数が充実しているので購入は Fly More Combo がオススメです。
DJI Neo Fly More コンボ【賠償責任保険付】 ※初心者向け飛行ガイド付
なお、注意しなければいけない点もあると感じました。カメラ性能の限界と、飛行環境の明るさです。あくまでも可視光カメラですので、たとえばタイルの浮きやわずかな漏水を見つけるのは困難です。こういった場合には Mavic 3T などの赤外線カメラを搭載しているドローンをおすすめしています。また飛行環境が薄暗くて照度が足りない場合、Neo は自動でATTIモードに切り替わります。飛行高度が制限され、機体が流されて思ったようなコントロールができなくなることもありますので、フライトさせるときは無理をせず、必要に応じて DJI Care Refresh
にも加入しておくと安心ですね。
各種実演会・体験会を開催しています
いかがでしたでしょうか。「ちょっとしたアタリをつけるくらいならNeoで十分!」という時代はすぐそこまで迫っているかもしれませんね。
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