水難救助・物資輸送に挑む!ドローンを使った津波災害対応訓練とは
こんにちは、DJI産業用ドローン担当の鈴木です。
今回は、昨年10月に神奈川県危機管理防災課と各自治体の方々と連携して実施した、津波対策訓練でのドローン活用についてレポートいたします。2023年も同様の訓練を行いましたが、今年は実施場所を変更し、新製品を2機種導入して訓練を行いましたので、ぜひ今後のドローン活用に役立てていただければ幸いです。

津波対策訓練の概要と目的
今回の津波対策訓練の目的と概要はこちらです。
訓練概要
日時: 令和6年10月5日(土)午前10時30分〜12時00分
場所: 真鶴港(神奈川県足柄下郡真鶴町)
参加機関
国機関: 海上自衛隊、海上保安庁、関東地方整備局
警察 : 関東管区警察局、神奈川県警本部、小田原警察署など
消防 : 湯河原町消防本部、真鶴町消防団
法人・企業: 神奈川県警備業協会、フレッシュハウス、トライアングル、真鶴ベイマリーナ、セキド

訓練目的
・津波に対する早期避難意識の向上
・関係機関の連携体制の強化
重点事項
津波への早期避難意識を高めるため、実動訓練を通じて広くアピール。
多くの関係機関が参加し、災害時の連携体制を強化。
セキドが関連する訓練事項
・DJI Matrice 350 RTK&Zenmuse H30T を用いた水難救助訓練
・DJI Flycart 30 による物資輸送訓練(津波による停泊不能時を想定)
訓練で使用した機材
DJI Matrice 350 RTK
Matrice 350 RTK(マトリス 350 アールティーケー、以下「M350 RTK」)は、世界中で一番活用されている業務用のドローンです。

最大飛行時間55分と保護等級IP55の防塵防滴機能を持ち、複数のペイロードに対応、堅牢な作りでハードな環境にも耐えるため、様々な業務において長時間使用できるドローンとして、DJI産業用ドローンの代表的なモデルです。
DJI Zenmuse H30T
M350 RTK に搭載するペイロードで、レーザー距離計・ズームカメラ・赤外線カメラの一体型ハイブリッドカメラとなっております。ドローンの動きや風の影響を受けても安定した撮影が可能な3軸ジンバルと、防塵防滴機能を持った保護等級 IP54を備えています。

また、前モデルの Zenmuse H20T と比べて、ズームカメラや赤外線カメラの解像度などの性能が格段に向上しています。Zenmuse H20T と H30T の違いについて知りたい方は、こちらのコンテンツもご参考ください。
業務用ドローン搭載マルチセンサーカメラ
DJI Zenmuse H30シリーズを実機レビュー!
DJI FlyCart 30
物流ドローン FlyCart 30 は、強力な伝送信号とインテリジェンスを兼ね備え、最大30kgの荷物の長距離配送が可能です。貨物モードとウインチモードに対応し、従来の物流の限界を超え、安全で経済的、効率的なドローン配送ソリューションを実現します。


津波対策訓練でのドローン活用
それでは訓練の詳細について、当日の動画を合わせてご覧ください。
当日の実施環境
天候: 曇りのち雨
風速: 地上1~3m/s

水難救助訓練について
赤外線カメラを搭載したドローン M350 RTK&Zenmuse H30T を使用し、通常のカメラ映像では判断が難しいところを赤外線カメラ映像を同時に確認することで、効率よく要救助者を発見することができました。
今回使用した新製品の Zenmuse H30T は、赤外線カメラ解像度が1280✕1024pxと H20T 比で4倍に向上しました。ズーム倍率も最大200倍までだったのが400倍までズームが可能になり、より簡単かつ安全に、精密に調査できました。
訓練の様子を動画でまとめましたので、ぜひご覧ください。
物資輸送訓練について
また前回には無かった新たな試みとして、物流用ドローン DJI Fly Cart 30 を導入して、津波によって船舶が停泊できない場合を想定した、物資の受け渡しを訓練しました。
今までは港に停泊できなかった場合、復旧を待ってから輸送、もしくはヘリコプターなど別の大型機材を導入して別の場所から輸送するなど、コストや工数が掛かっていました。そこで、新たなソリューションとして約30㎏の荷物を運ぶことができ、手軽に受け渡しができる物資輸送ドローンの登場は、来賓の方々含め大変ご好評いただきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
当日はあいにくの雨模様でしたが、今回使用したドローンはどちらも防塵防滴性能を備えており、シビアな環境でも円滑に訓練を行うことができました。
初めて訓練を行った物流ドローン Fly Cart 30 については、災害時の物資輸送の可能性を引き出す新たなツールとして、活用の場が広がる機会となりました。ぜひこれからもその活用をチェックしていただければ幸いです。
前回と比べると新たなドローンを導入し、今まで足りなかったスペックが向上したことよって、業務効率が格段に上がったのではないかと思います。また、Matrice350 RTK にはサードパーティ製のスピーカーやサーチライトを搭載することも可能で、さらに活躍の場が広がることが期待されます。
セキドでは、様々な業務の安全性や効率を高めるためのドローン活用に参考となる記事も公開しています。こちらも合わせてご覧ください。
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