太陽光発電所の点検・警備を自動飛行ドローンで!ドローンポート DJI Dock 3 の事例紹介
こんにちは。セキドで産業用ドローンを担当している段野です。今回は深空株式会社と共同で、DJIから新たに発表された DJI Dock 3(ドック 3)と専用ドローン DJI Matrice(マトリス) 4D/4TD を使用して、太陽光発電所で実証実験を行いました。「点検・警備」をテーマに、Dock 3 の機能をご紹介いたします。

深空株式会社とは
深空株式会社は、西日本で初めてのDJI正規販売店として大阪にオープンした、DJI認定ストア 大阪 を運営する会社です。空撮用カメラドローンや産業用ドローンなどの DJI製品を幅広く取り扱っています。

DJI Dock 3 とは
DJI Dock 3 は、「DJI Matrice 4D/4TD を遠隔運用ができる」ドローンポートです。ドローン本体の格納・充電・管理や、ドローン運行管理クラウドソフト「DJI FlightHub 2(フライトハブ 2)」と組み合わせる事で、手動/自動飛行するドローンの操作や画面共有、撮影データの管理/共有ができる製品です。
空中写真測量用の Matrice 4D と、点検/調査/警備に適したサーマルカメラ搭載モデルの Matrice 4TD の2つの Dock 3 専用ドローンに対応しています。

太陽光発電所 × DJI Dock 3
DJI Dock 3 を使うことで、太陽光発電所の以下のような問題に対処ができます。
1. 破損や障害物による発電量の低下
ホットスポットやデラミネーション、鳥獣の糞、落ち葉、降雪などの状況を、自動で毎日点検し、データを溜めることができるため、状態が「深刻化」する前に対処ができます。点検業者への委託コストが削減でき、自動操縦のためドローンオペレーターを社内育成するための負担も軽減ができます。
2. 銅線の窃盗や破壊行為による損害
警備員の代わりに昼夜問わず自動巡回でき、AIで人や車を検知して撮影、通知等のアクションを起こします。太陽光発電所では窃盗がある度に数百万~数千万円単位の損害が発生するため、非常に深刻な問題となっています。
ソーラーパネルの点検
点検の手順
それでは具体的な検証内容を見ていきましょう。Matrice 4TD は赤外線カメラを搭載しているため、ソーラーパネルの点検作業に有用です。点検の手順は以下の通りです。
1.現場の状況把握のための飛行ルートを作成して飛行
※必要に応じて実施

2.アップロードされたデータから3Dモデルを作成
※必要に応じて実施

3.3Dモデルを用いて点検用の飛行ルートを作成

4.地形に沿うように飛行して撮影された映像を確認

5.必要に応じて手動での操縦やカメラの切り替え

6.アップロードされた撮影データを確認、比較してメモなどを入力

遠隔地からパネルの異常を確認
赤外線カメラでは温度を計測するため、目視ではわからない「異常発熱」が映像化され、ホットスポットやデラミといったパネルの異常を発見することができます。DJI FlightHub2 を利用して遠隔地からの確認、カメラを操作しての追加チェック、取得データの共有も可能で、業務の効率化を実現します。
2Dオルソ画像の比較
また、以前から FlightHub2 には、画像の新旧比較機能はありましたが、今回2Dオルソ画像の比較機能が追加されました。新旧の画像を比較する事で問題点がより分かりやすく確認できるようになりました。
警備での Dock 3 活用
スピーカーとサーチライトへの対応
Matrice 4D/4TD は、DJI純正のスピーカーやサーチライトに対応しています。スピーカーで音声放送しながらの飛行や、特定のポイントでの放送も可能です。
AI検知&アクション
Matrice 4D/4TD にはAI検知機能が搭載され、可視光カメラでの「人・車・船」の検知が可能です。赤外線カメラの場合は「〇〇℃以上、または〇〇℃以下」といった条件で検知ができます。

そして検知したタイミングで、写真や動画の撮影、ユーザーの指示を待つといった設定が可能です。

何か検知したタイミングで手動操作に切り替えて、ライトの点灯やスピーカーによる注意喚起などを FlightHub 2 を使って遠隔で行うことで、安全を確保しつつ窃盗や破壊行為の現場証拠を押さえる事が可能です。
赤外線カメラを使った夜間巡視
防犯対策としての場内巡視としては、可視光カメラでの日中巡視のほか、Matrice 4TD の赤外線カメラを用いることで夜間巡視も可能です。巡視のときには、真俯瞰から撮影するのではなく、カメラ角度を斜めにすることでパネル下に隠れている不審者の発見も可能です。
望遠カメラ性能
また、カメラ性能は Matrice 4シリーズと同等のため、100m以上離れた車のナンバーもバッチリ写ります。
Matrice 4D/4TD は最大54分間の飛行が可能です。余裕をもった運用でも30分以上の巡回飛行が可能です。日中は設備の点検に用い、夜間は防犯として用いることで、24時間有効に活用することができます。
セキドでは、このように太陽光発電所の点検や警備を大幅に省力化する DJI Dock 3 について、手軽にわかるウェブセミナーや実際に製品を使ってデモフライトを行う実演会を、どこよりも早く開催予定です。
詳細やお申し込みは、こちらのリンクよりご確認ください。皆さまのご参加やお問い合わせをお待ちしております。