ドローンによる鋼構造物点検を検証 -溶接部の空撮-
こんにちは、株式会社セキド ドローン実証実験チームです。
先日、和歌山県で水道橋の崩落により約6万戸で断水があり、市民の生活に影響をおよぼした事故がありました。このことからも分かりますが日本のインフラ施設は老朽化が進み、多くの施設で点検が必要となっています。今回はそんな日々の生活にも関係するドローンを使ったインフラ点検について、紹介いたします。
インフラ施設の老朽化とは?
下記の通りインフラ施設の老朽化は、この15年で建設後50年以上経過する施設の割合が、加速度的に高くなっています。
引用:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
ドローンを使った構造物点検のメリット
そこで、道路橋や鉄道橋、風力発電設備、プラント設備等々の大型鋼構造物点検にドローンの活用が始まっています。ドローン点検では点検用仮設足場が不要で、設備使用制約、費用効率、時間効率等の大きなメリットがあり、今後ますます適用が広がると期待されています。
鋼構造物点検が対象とする主な変状は、腐食(さび)、亀裂(主に疲労亀裂)、破断です。この中で、発見の難易度が高いのが亀裂です。国交省が定める「道路橋定期点検要領」より亀裂の写真を抜粋しますので、ご覧ください。
抜粋引用:国土交通省 道路局「道路橋定期点検要領」平成31年2月より https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/tenken/yobo4_1.pdf
亀裂は一旦発生すると加速的に進展を早める特性が有るため、できるだけ早い段階で発見することが求められます。しかしながら、機側目視の場合でも、ある程度進展して発見されるのが実態です。
ドローンを使った点検をテストしました
そこで、ドローンを使うことで効率良く機側目視同様の亀裂の発見が可能か、亀裂が発生し易い溶接部の点検を DJI Matrice 300 RTK と DJI Zenmuse H20T の組み合わせでテストしました。テストの被写体に亀裂は存在しませんので、画像の鮮明度での評価となります。以下にテストの詳細を記します。
ドローンによる点検テスト:撮影条件
場所:セキドDJI横浜ドローントレーニングセンター
機体:DJI Matrice300 RTK
カメラ:DJI Zenmuse H20T
水平距離:6m
高さとジンバルピッチ角:14m/0度、11m/+27度、17m/-27度
ズーム倍率:1倍、20倍
撮影結果
実際に撮影した画像がこちらです。
A-1)高さ14m、ピッチ0度、ズーム1倍
A-2)高さ14m、ピッチ0度、ズーム20倍
B-1)高さ11m、ピッチ+27度、ズーム1倍
B-2)高さ11m、ピッチ+27度、ズーム20倍
C-1)高さ17m、ピッチ-27度、ズーム1倍
C-2)高さ17m、ピッチ-27度、ズーム20倍
結果として、上記のように振れのない極めて鮮明な画像が得られました。設備により撮影条件も異なりますので断定的な評価はできませんが、ドローンにおいても機側目視と同レベルの亀裂発見が期待できることが確認できました。
インフラ点検に従事する業者様は、ぜひドローンの活用をご検討いただけますと幸いです。
ドローン点検に使用した機材は
今回ご紹介した製品の詳細はこちらをご覧ください。
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