物流ドローン FlyCart 30 が現場を変える|法面工事の運搬負担を軽減した実証事例を紹介
こんにちは。セキドで物流用ドローン DJI FlyCart 30 を担当する佐藤(雅)です。今回は FlyCart 30 の販売代理店である深空株式会社が、法面保護資材の運搬検証を行った際のレポートをご紹介します。
物流ドローンを運用するメリットや、現場の作業員とお客様の声も多数お伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
深空株式会社とは
深空株式会社は、西日本で初めてのDJI正規販売店として大阪にオープンした、DJI認定ストア 大阪 を運営する会社です。空撮用カメラドローンや産業用ドローンなどの DJI製品を幅広く取り扱っています。

法面保護資材をドローンで運搬
検証内容
・土砂災害山間部での法面保護資材の運搬
・数量:1,460kg(法面保護マット125本/アンカーピン19箱/大頭釘16箱)
・高低差約150m、直線距離480m、歩行距離580m
実施の背景
・山間部にある土砂災害現場の復旧工事で、山頂付近に資材を運搬
・現在の人力荷揚では、5名で8日間ほど要する(5名×8日=40人工)
・荷揚げに8日間要し、その間は荷揚げ以外の作業ができない(身体が持たない)
運搬量の詳細
運搬用計算
品名 | 搬入 数量 | 規格 | 荷数 | 単位 重量 | 総重量 | 1回の 運搬数 (仮) | 1回の 重量 | 運搬 回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法面 保護 マット | 2,500㎡ | 1×20m (20㎡/入) | 125 | 7.2kg | 900kg | 3 | 21.6kg | 42 |
アンカー ピン | 1,800本 | φ9×200mm (200本/入) | 9 | 20.0kg | 180kg | 1 | 20kg | 9 |
大頭釘 | 8,000本 | φ5×150mm (500本/入) | 16 | 12.5kg | 200kg | 2 | 25kg | 8 |
アンカー ピン | 1,000本 | D10×300mm (100本/入) | 10 | 18.0kg | 180kg | 1 | 18kg | 10 |
その他 | 未定 | ブルーシート、 単管パイプ等 | ||||||
合計 | 160 (※1) | 1,460kg | 69 |
※1 人力の場合160往復必要
実際に運搬した資材
総重量 1,460kg(法面保護マット125本/アンカーピン19箱/大頭釘16箱)
従来の搬入ルート
従来の人力荷揚では、足場の悪い急こう配を担いで運搬していました。
ルートには積雪もあり、滑りやすく非常に危険な場所もありました。



ドローンによる運搬の詳細
フライトスケジュール
今回は4フライト1セットとして、下のスケジュールで運搬を行いました。
1~3フライトまで:Aパターン(往路荷あり・復路は空荷)
4フライト目:Bパターン(往路荷あり・復路でモッコやバッグ・ロープを麓に返す)
[Aパターン]離陸から着陸まで:約6分
・往路(離陸→山頂ウェイポイント):平均1分30秒
・山頂側到着→操縦権奪い荷下し:平均2分
・復路(山頂ウェイポイント→麓ウェイポイント):平均1分30秒
・麓側到着→操縦権奪い荷下ろし:平均1分
[Bパターン]離陸から着陸まで:約9分
・往路(離陸→山頂ウェイポイント):平均1分30秒
・山頂側到着→操縦権奪い荷下し+モッコ/バッグ/ロープ荷釣り:平均5分
・復路(山頂ウェイポイント→麓ウェイポイント):平均1分30秒
・麓側到着→操縦権奪い荷下ろし:平均1分



フライトルート

安全面に配慮して、始めは比較的開けた場所に往路を設定しました。

安全が確認できたため、3フライト目以降は直線でのミッションへ変更しました。

ドローンを使った運搬の効果を確認
FlyCart 30 での資材運搬を終え、従来の方法と比較した結果がコチラです。

運用メリット
・運搬日数の大幅軽減による人工軽減、工期短縮を見込める。
・ドローンによる運搬と同時並行で施工が可能に。
(人力荷揚げだと8日間は「運搬のみ」で仕事が終わってしまい、本来の法面緑化業務ができない。)
・万が一事故が起きても怪我人が出る可能性が低く、従業員の安全面にも貢献。
(人力荷揚げだと滑り落ちる危険性がある。精神的にも厳しく離職の要因となり得る。)
・女性も荷揚げ作業が可能になる。(人力荷揚げでは体力的に難しい。)
お客様の声
・得意分野へのリソースを最大化し、利益を生みやすい。
運搬作業は付随業務であり単体では利益を生みにくい為、運搬作業を早期かつ少ない人員で終わらせ得意分野の作業に人員を割ける。
・厳しい現場への対応力増加により、受注拡大が見込める。
同様な条件の現場(人力運搬前提)は、同業他社含めあまり前向きに受注したくないのが現状。
発注者にとっても発注したくても施工可能な業者がいないという事態も想定され、対応力の高い企業への注目度が高まる。
・近い将来の建設業への対応が期待できる。
建設業界において人材不足が深刻な問題となっていて、ロンタイ株式会社においても同様。
運搬作業の様な体力に長けた人材を複数求められる作業は、現在も人材確保が難しいが、将来的にできなくなる可能性が高い。これに代わる技術は、企業の持続可能性を高めるメリットがある。
セキドでは 今回の業務で使用した FlyCart 30 について、実際のフライトや導入から運用の詳細を知りたい方に向けて、全国各地で定期的に無料の実演会やデモ会を行っています。まずはお近くの会場でお気軽にご参加ください。
運搬性能や活用事例などのお問い合わせや、実演会やデモフライトの要請などもお待ちしております。
FlyCart 30 の機能やスペック情報はこちらDJI FlyCart 30