あのレンズでもAF動画撮影が可能に!3軸ジンバルでMFレンズ対応の3Dフォーカスシステムを解説します!
こんにちは、セキドの平井です。
今回はDJIから発売されている一眼レフ対応ジンバルスタビライザー DJI RS 2 のオプションパーツ「3Dフォーカスシステム」について、セッティングや操作方法を合わせて解説いたします。
3Dフォーカスシステムとは?
3Dフォーカスシステムは DJI RS 2 のオプションパーツのひとつです。RS 2 本体とフォーカスモーターを組合せることで、オートフォーカスが利用できないオールドレンズやシネマレンズでもコンティニュアスAFが利用できるアイテムです。価格は税込17,270円で、多くのシネマレンズやマニュアルレンズでAFが使えるようになる画期的なオプションです!
この3DフォーカスシステムにはLiDAR(ライダー)センサーが搭載されており、センサーから対象物との距離情報をフォーカスモーターへ伝え、フォーカスリングを回転させることでオートフォーカスを実現させています。
パッケージ内容は、本体とコールドシューアダプターのみとシンプルです。
LiDAR とは?
LiDAR(ライダー)とは光を用いたリモートセンシング技術の一つで、「Light Detection and Ranging」の略です。レーザー光を照射し、それが対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測して、対象物までの距離や方向を測定するものです。最近ですと、iPhone 12 Pro や iPad Pro などにも搭載されている技術ですね。
取り付け方法
今回は DJI RS 2 Pro Combo に「Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K」+「LAOWA 12mm T2.9 Zero-D Cine」の組み合わせでテストを行っています。
3Dフォーカスシステムの取り付け
はじめに3Dフォーカスシステムをカメラ本体に取り付けます。
BMPCC 4K/6K にはアクセサリーシューが無いため、付属のアダプターを利用して装着することが可能です。また、アダプターの1/4ネジの両隣に2本の突起があるので、SmallRigなどのリグの上に取り付けることでより安定して装着できそうです。
フォーカスギア ストリップの装着
レンズにフォーカス調整のためのギアストリップを装着します。
※今回はギア一体型レンズですので、ギアストリップの装着は省いています。
ケーブルの接続
DJI RS 2 にカメラを搭載し、フォーカスモーターを設定した状態でケーブルを接続していきます。
はじめに、RS 2 本体の中央のUSBポートから、付属のUSB Type-Cケーブルで3Dフォーカスシステムに接続します。
次に、3Dフォーカスシステムとフォーカスモーターを、付属のUSB Type-Cケーブルで接続します。
RavenEyeを使用する場合は、この時に合わせてケーブルを接続しておきましょう。
これでケーブルの接続は完了です。この状態でジンバルのバランステストを行いましょう。
設定方法
3Dフォーカスシステムの取り付けが済んだら、RS 2 のモニターで設定を行っていきます。
ダイヤル機能の設定
はじめに、ダイヤル機能がフォーカスモーターに割り当てられているか確認します。
3Dフォーカスの設定
次に、3Dフォーカス機能の詳細を設定します。
RS 2 のディスプレイを右側にスワイプして、ページ下部にある「3Dフォーカス」を選択します。
「レンズキャリブレーション」でフォーカスモーターのキャリブレーションを行います。
※ 場合によっては、キャリブレーション中にギアストリップとフォーカスホイールが噛み合わずに空転し続ける場合がありますので、その際はカメラプレートのネジを締め直す又はギアとカメラを手で抑えながらキャリブレーションを行ってください。
搭載しているレンズの焦点距離を入力します。焦点距離の部分をタップすると入力画面に切り替わります。
「+」または「ー」で、お使いのレンズの焦点距離を入力してください。1mm~200mmまでの範囲で入力でします。
対象とジンバルの距離を表記の「1m」の距離に合わせて、手動でフロントダイヤルを回してフォーカス調整します。
次に対象との距離を「4m」に離して、再度フォーカスを調整します。
調整が完了したら確定を押してください。以上で設定が完了です。
これでコンティニュアスAFが利用できるようになります。
AF/MFの切り替えは、3Dフォーカスシステム上部のボタンもしくは RS 2 のディスプレイで変更可能です。
AFが有効の場合は上部ボタン横のLEDが緑色に点灯します。MFの場合は黄色が点灯します。
ちなみに、AFレンズの様なフォーカスリングが回り続けるタイプには対応していませんのでご注意ください。
フォーカス精度の検証
気になる精度については、実際にフォーカスが動作している様子と撮影データを動画でご覧ください。
3軸ジンバルとAFの組み合わせが
あのレンズでも楽しめる!
いかがでしたでしょうか?
価格も税込17,270円と比較的安価なのにも関わらず、多くのシネマレンズやマニュアルレンズで DJI RS 2 と組み合わせる事でAFが使えるようになるのは画期的ですよね。
フォーカスエリアが「中央のみ」なのがネックではありますが、LiDARモジュールで検知しているので暗所でもAFが利用できたり、アクティブトラックと組合せて現場でのオペレーションを簡素化できるメリットは大きいかと思います。
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※ 3Dフォーカスシステムは DJI RS 2 のみ対応です。
DJI RS シリーズ 一覧
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