水中ドローン(ROV) 濁った水(濁水)・暗い場所でも綺麗に撮影ができますか?
水中ドローンに標準搭載のカメラについては、基本的に一般的地上等で利用するカメラと同じ精度を持ったカメラを搭載しております。
水の濁りは水中撮影に大きく影響します。汚れた水や濁った水(濁水)で撮影すれば、もちろん濁りが映像に写ります。(ダイビングをされる方や、ゴーグルをつけて少し濁った海に潜ったことがある方であれば想像がつかれるかと思いますが、肉眼で確認する状態と変わりないと思っていただいて問題ないです)
例えば美しい映像作品のような撮影を求める場合は、水面から見下ろして、底が見えるくらいの透明度がある環境の必要あるかと思います。
水中インフラ点検であれば、あくまでも参考地としては安定的な撮影が可能な濁度は、5%未満が望ましいと言われています。
なお、濁った水であればあるほど、操作の難易度は高くなります。
暗がりの撮影については、搭載しているカメラ性能にも左右されますが、水中での撮影は一般的に地上よりも暗くなりますため、ISO感度も上がり、撮影時にノイズ等が発生することは避けられません。
また、水深が深くなるにつれて、暗くなります。暗い場所においては機体に搭載しているライトを照射して、ライトの光りが届く範囲においては撮影は可能となります。その際、濁った水や浮遊物が多い環境の場合は、浮遊物にライトが反射して真っ白な画面(俗に言うホワイトアウト状態)となる場合もあります。よって、暗い場合でも、真っ暗でなければライトを照らさない方が良い映像が撮影できる場合もあります。
LEDライトを照射すると、フリッカー現象(光が当たっている場所に横筋線が入る)が発生する場合がございます。LEDは特性上、光源が目に見えない速さで点滅しておりその影響によるものになります。こちらは仕様上発生が避けられないものとなります。現状弊社でフリッカーレス撮影に対応した機種はございません。ご留意ください。
なお、設定によりLEDライトの光量を下げることができる機種であれば、光量調節をすることで、フリッカー現象が軽減する場合もあります。
なお、ライトを点灯させた場合は著しくバッテリーを消耗いたしますため、バッテリー消耗を注視しながらの運用が注意が必要となります。ライトをフルパワーで点灯した場合、バッテリー駆動時間は最大利用時間の1/3〜1/4程度となる場合があります。
撮影事例として、実際の川での撮影映像をご確認いただくことができます。ご参考にしていただければ幸いです。
水中ドローンFIFISH V6 EXPAERT 河川での機能検証【セキド公式】
なお、製品によってはイメージングソナーを搭載し、濁った水中での環境でも物体をある程度可視化できる装置もございます。
以下の動画では、実際にQYSEA FIFISH W6に2Dイメージングソナーを搭載し、撮影した映像をご確認いただけます。ご参考ください。
沈没船探索作業 | FIFISH 産業用水中ドローン 「FIFISH PRO W6」
※過度な砂や泥などが滞留している環境でのご利用は著しい劣化・破損の原因となります。海水・淡水での利用を前提としております(目安として、河川や海のpH値と同様のpH6〜8の範囲内)。薬品への耐性はないため化学薬品等が混ざった水中でのご利用はいただけませんのでご注意ください。
【参考資料】
光学機器を用いた新技術導入検討調査 報告書
光学機器を活用した 水産基盤施設の点検の手引き
水産庁が公開している水中調査利用における光学機器の検証報告書および、ガイドラインです。この中で QYSEA FIFISH V6 S / QYSEA FIFISH V6 PLUS の有用性が報告されております。ぜひご覧ください。
※水産庁の資料に記載の内容は、製品性能を保証するものではございません。
<参考リンク>
水中ドローン(ROV) 汚れた水の中や、薬品が混ざった水の中での利用可能ですか?
https://sekido-rc.com/blog/technical/faq_211016_002/
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