Insta360 ONE R ツイン版の使い方を解説!!正直分かりにくいDeep追跡の設定も!?
DJI認定ストア東京虎ノ門の吉田です。
今回の『スタッフが使ってみた!』は、先日発売された Insta360 ONE R の撮影方法、各種編集方法についてご紹介したいと思います。
~目次~
・Insta 360 One Rとは!?
・各レンズの違いについて
・本体操作方法
・Insta360 ONE R アプリケーション
・映像編集機能の使い方
・360°撮影時のアクティブトラック
・現時点でのInsta360 ONE Rの使い勝手は?!
Insta360 ONE R とは!?
Insta360社が開発した、360°撮影可能の万能カメラ。
特徴的な点として、RX78-2ガンダムの様に
本体が3つのパーツに分解できるようになっています。
全ての土台となる「Battery Base」、背面にタッチスクリーンを搭載した操作部分の「Core」、ツイン版では2種類付属する「レンズ」を付け替えて、用途に合わせた最適な状態での撮影が可能という訳ですね。
各レンズの違いについて
先述した様に Insta360 ONE R は、3種類のレンズを付け替え可能な構造になっています。
レンズを交換するだけで、全く異なる作品を創り上げられるのは本製品最大の魅力ですね。
では具体的な使用例も踏まえ、ツイン版に同梱されている2つのレンズをご紹介したいと思います。
「力」の4K 広角レンズモジュール
最大動画解像度 4,000 x 3,000 の広角レンズです。
ツイン版では、360°撮影をしたくない状況で使用する事が多いかと思います。
8倍スローモーションや 4K 60fps 撮影に対応していますので、初めてアクションカメラという方にも十分な性能かと思います。
「技」の360°レンズモジュール
本製品最大の目玉である 360°撮影用のレンズ。
360°映像の画質は GoPro Max を凌ぐ程で、アクションカメラとしては一級品のものになっています。
一般的な動画撮影は、被写体を背景と共に捉えることで、思い出として残しやすくしたり、作品としての完成度を上げたりしますが、360°撮影ではそれに加えて前景や空模様なども記録する事ができるので、通常撮影と比べより当時の印象を残しやすくなっています。
【 スペック一覧表 】
実は簡単な Insta360 ONE R の操作方法
本体上面には1回押しで作動する電源ボタンとシャッター/RECボタンのみが設置されている、シンプルな設計となっています。
プレビューや各種撮影方法は、Coreパーツに搭載されている背面タッチスクリーンを上下左右にスワイプして設定します。
上から下にスワイプで本体設定
画面を上から下にスワイプすると、ディスプレイ輝度等の本体設定をカスタマイズできます。
項目としては以下が用意されています。
・Careディスプレイ輝度
・タッチパネルの操作を一時的に無効にするロック機能のON/OFF
・前後インジケーターのON/OFF
・グリッド線のON/OFF
・カメラスクリーンの回転モード設定
・音声操作のON/OFF
・一般設定(ノイズキャンセル、音声操作時の制御文言一覧、自動電源OFFタイムなど)
下から上にスワイプで撮影モード選択
画面を下から上にスワイプすると、HDR静止画やタイムラプス動画などの各種撮影モードを選択できます。
撮影モードとしては以下が用意されています。
静止画
・スタンダード撮影
・HDR
・バースト
・インターバル
・ナイト
動画
・スタンダード動画
・HDR
・タイムラプス
・タイムシフト
カスタム
・Starlapse
・P1(現在の撮影設定を保存)
また、タッチスクリーン右下には撮影モードの詳細設定メニューがあり、スタンダード動画撮影であれば 4K / 2.7K の選択、HDR静止画では比率と撮影タイマー等の細かい設定が可能です。
右から左にスワイプで撮影設定
画面を右から左にスワイプすれば、ISO感度やシャッタースピード等の撮影設定を確認、設定できます。
装着するレンズによって一部違いはありますが、設定項目は以下の通りです。
・AUTO撮影(ISO感度とシャッタースピードの数値が自動設定になるモード、WB / EVは設定可能です)
・マニュアル撮影(ISO感度 / WB / ISO感度が設定可能です)
・ISO Priority(ISO感度 / WB / EVが設定可能です)
・シャッタースピード Priority(シャッタースピード / WB / EVを設定可能、360°レンズ装着時は使用できません)
左から右にスワイプでプレビュー表示
左から右にスワイプするとプレビュー画面が表示されます。
高フレームレートの動画以外は、360°撮影の映像でもこの画面で再生ができるほか、削除も可能です。
Insta360 ONE R アプリケーション
Insta360社が開発した Insta360 ONE R 専用アプリケーション。
アプリをインストールしたモバイル端末とWi-Fi通信する事で、各編集機能のほか、高ビットレート動画のダウンロードも可能です。
その他にも、Twitter や Instagram のようなコミュニティ機能もありますが、今回はメイン機能である編集部分について紹介したいと思います。
映像編集方法
アプリホーム画面のアルバムボタンをタップし、動画を選択すると編集モードに切り替わります。
編集モードを初めて使用する時に限り、かなり分かりにくいチュートリアル動画が強制的に表示されますが怯えないでください。
この記事で基本的なやり方は全て解説します。
編集画面では、下記の6つの機能ボタンが表示されています。
・ダウンロードキューへの追加
・お気に入りへの登録
・フラッグへの追加
・映像編集機能への切り替え
・4種類のズーム切り替え(4Kレンズ)画面比率の変更(360°レンズ)
・カメラファイルの削除
色々とありますが、主に使うのは映像編集機能かと思います。
映像編集機能の使い方
映像編集モードでは、5つの編集項目が用意されています。
・トリム
・スピード
・フィルター
・色調整
・BGM
動画編集では、これらを組み合わせて1つの動画を作成していくようなイメージになります。
意外と簡単に完成させられますので、動画編集未経験という方もご安心ください。
トリム機能
動画の長さを編集します。
具体的には、撮影映像の中で必要ない部分を切り取る場合や、好きなシーンから動画を開始させる際などに使用する項目ですね。
使用方法は、まずトリムを選択すると上記画像の様な画面に切り替わります。
ここで重要なのは、秒数が左右の矢印に挟まれたような動画時間部分と、その下の映像バーです。
動画時間部分は左向きの矢印が開始地点を、右向きの矢印が終了地点を表しており、それぞれタップして選択できます。
矢印をタップして選択すると、動画の再生開始を決めるモードに切り替わり、映像バーに黄色い帯が表示されます。
この黄色い帯はドラッグ可能で、指定した位置が再生開始位置、再生終了位置になります。
スピード
1/4X、1/2X、 2X、4X、 6X の再生スピードから好みのものを選択し、反映したい再生部分をドラッグします。
すると、その部分の再生速度のみ変更されるという仕様になっています。
映像にメリハリがつくだけでなく、見ていて飽きない物になりますので、この機能は絶対にマスターしておきたいところです!
フィルター
予めアプリ内に用意されているフィルターをかけて、映像全体をノスタルジックな色合いや、青っぽい色合いに変化させる事ができます。
後述する色調整は面倒!という方や、雰囲気全体を大きく変えたい場合に有効かと思います。
色の調整
複数の項目があり、コントラストを強めたり、色温度を変えたりなど、非常に細かいところまで設定ができます。
撮影映像の色味が多少薄くとも、この調整をすればある程度カバーできますので「失敗しちゃったなぁ、、」という方も是非お試しください。
露出
詳しく書こうとすると、これだけで1つの記事になってしまうので、簡単にご説明いたします。
「露出」とは簡単に言ってしまえば、明るさの明暗ですね。
この数値は、「-100」~「+100」までの数値に設定できて、「+100」にすると全体が非常に明るくなり、全ての物は光に飲み込まれます。。。
色温度
光には様々な色があり、これらは「色温度」として「K(ケルビン)」という単位を用いて表されます。
本アプリでは「-100」~「+100」まで設定できて、色温度を高いものにすると全体的に赤く表現され、低い数値にすると青く表現されます。
雪など冷たい印象の被写体は、数値を低く設定しておいた方が綺麗な印象になり、高く設定すればノスタルジックな印象になります。
この項目を使って遊ぶのも結構楽しいですよ。
コントラスト
文字通り、対比のことですね。
色の薄い所と濃い所の差を、よりハッキリとさせられます。
その関係で色も濃くなる事が多いので、全体的に「ぼんやりした色味だなぁ」という時に有効ですね。
桜と空の対比をさせる時などにも非常に便利なのではないでしょうか。
ただ、やり過ぎると一部が黒潰れの様になってしまうので注意が必要です。
飽和度
「飽和度」は「彩度」とも呼ばれる色の属性で、鮮やかさを調整する項目です。
数値は「-100」~「+100」まで設定できて、大きくなるごとに色味が濃くなり鮮やかなものになります。
コントラストとの違いとして、あちらは濃い色味を濃く、薄い色味を薄くするのに対し、こちらは全ての色を鮮やかまたは薄く(白黒)します。
ハイライト
ハイライトとは、映像の明るい部分全体の事を指します。
この数値は「0~100」まで設定できて、大きくすると全体的な光量が上がり明るくなります。
その半面、立体感は減少してしまいますので、次に紹介するシャドウと組み合わせてバランスを取っていく必要があります。
シャドウ
こちらはハイライトとは逆に、暗い部分全体の事を指します。
設定数値は「0~100」で、大きくすると全体的な光量が下がり暗めな印象になります。
撮影した被写体にもよりますが、私はハイライトを下げた後にシャドウの数値を上げ、立体感を出すことが多いです。
トーン
トーンでは、色味を赤もしくは緑に近づけ、映像をパンク気味な印象に仕立てられます。
その他の使い方としては、赤ぽく写ってしまったものにトーンで緑の補正をかけ修正するといったところでしょうか。
シャープネス
シャープネスの編集では、被写体の輪郭や境界線を強調、もしくは弱める事ができます。
設定値は「-100」~「+100」まであり、大きくすると猫の髭など細いものも輪郭がハッキリと強調されるようになりますが、やり過ぎると全体的にざらつきが目立つようになります。
ピンボケ気味の映像を誤魔化す補正するには便利ですが、、、
逆に数字を低く設定すると全体的にソフトな印象になりますので、被写体のイメージによっては敢えて弱めるのも効果的です。
BGM
映像の要となるBGMを挿入する際は、このモードを使用します。
数十曲がアプリに内蔵されていで、BGMメニューを選択して開始位置を設定します。
この機能なんですが、正直「う~ん、あんまり、、、」という感じですね。
というのも、現状は Insta360 ONE R アプリで複数の音源を1つの動画に合わせる事はできません。
ですのでシーン毎にBGMを変えるという定番の編集ができない訳です。
この辺りは今後のアップデートに期待ですね。
360°撮影時の「Deep追跡」機能
最後に紹介するのは、360度撮影の編集に欠かせない「Deep追跡」機能です。
まずは、その機能を動画でご覧ください!
360°撮影時には、被写体を常にカメラの中心に置く自動追尾機能である「Deep追跡」が使用できます。
使用方法は、360°撮影後にアプリで後処理をする形になります。
1. アプリ画面で360°撮影のデータを選択し、編集画面に入ります。
2. 自動的に映像がプレビュー再生されるので、追従させたい対象をタップで長押しします。
3. 手を離すまで、その対象が映像の中心に映り続けます。
現時点でのInsta360 ONE Rの使い勝手は?!
2つのレンズを完全に使い分けられる事を考えると、お値段税込59,400円というのは破格ではないでしょうか。
実際カメラを2つ買ったと思えば、1つあたり税込29,700円ですからね。
タッチパネルもレスポンスが良く(たまに息をしていない物ありますよね)、操作していてストレスを感じる事はありませんでした。
個人的に最も心配していたスマホとのWi-Fi通信性能ですが、先代機と比べて大幅に進化しており、アプリ起動後に長くても30秒程で通信接続ができるようになっていました。
これはこれまでの Insta360 ユーザーの方であれば、涙を流して共感して頂けるかと思います。過去のInstaシリーズは通信までの時間がなかなかのんびりしていました。
アプリ自体の完成度も割合高く、特に再生スピードの編集やDeep追跡の設定は、非常にシンプルな手順で済みますので、面倒な編集は苦手という方にもオススメですね。