水中ドローン「BlueROV2」と「CCROV」を使用した船底点検

高木

CATEGORY : 水中ドローン／ROV , 産業用ドローン

UPDATE : 2019/02/19（火）

こんにちは、セキドの高木です。
今回は、先日実施した「ケーブル敷設船（海底ケーブルの敷設・修理・回収を行うための船）」の船底の状況を確認する実証実験の模様をレポートいたします。
※本記事の内容は公開時（2019年2月）の情報となります。現在提供可能な内容と異なる場合がございますのでご了承ください。

水中ドローン（水中ROV）を使った
ケーブル敷設船の船低検査

セキドROVチームは、株式会社商船三井様と株式会社MOLマリン様が運航管理するケーブル敷設船において、「BlueROV2」と「CCROV（販売終了）」を使用しての船底検査の実証実験を行いました。

一般的に船の船体や船底、またはプロペラに損傷が生じると、船速や燃費の悪化などが発生し、船舶の運航に影響を及ぼす可能性があります。このような場合、従来ではダイバーを起用して潜水での点検作業を行っていましたが、気象なども作業に影響し、費用や時間が嵩むケースがありました。航路以外ではない岸壁での水深は、東京湾では16mほどで、船底とのクリアランスは最短50cmになることもあるため、潜水作業においてのリスクはさらに高くなります。

今回の実証実験では、ダイバーに代わって「BlueROV2」と「CCROV」の2つの水中ROVを用いて、海面下の船体を調査点検することにより、水中ROVの実用性を検証しました。

船底検査実証実験の詳細

船体後部からプロペラにかけては、BlueROV2を使用しました。※図①部分
船首付近に装備されているバウスラスター内部には、CCROVを投入しています。※図②部分

BlueROV2 を使った船体後部の点検

BlueROV2を使用し、後部プロペラの故障の有無や、清掃が必要かどうかなどの点検を行いました。海水の濁りにより前方視界が劣悪なため、船体をカメラ正面に捉えながら、横移動を行いプロペラを目指しました。
BlueROV2の操縦用カメラでも十分に視認が可能なことを確認しています。

CCROVによるバウスラスター内部の調査点検

大型船や作業船に装備されている「バウスラスター」という横方向に搭載している推進機（プロペラ）は、小型な CCROV で調査を実施しました。バウスラスターは、船体を横方向に突き抜けるように装備され、外側には格子が設置されているため、ダイバーによる潜水作業では危険性からバウスラスター内部に入ることはできません。小型水中ドローンの CCROV では、問題なく格子を抜け内部のプロペラに到達し、調査点検を実施できる事を確認しました。

実証実験のダイジェスト動画

水中ドローンによる点検実験の結果

実証実験の結果、海中での操作性や撮影した画像の精度を確認することができました。従来のダイバーによる状態の確認に対して、代替可能な手段として有効的かつ安全・確実な方法であることを、株式会社商船三井様に確認して頂きました。

実証実験に使用した水中ドローン（ROV）

BlueROV2

同価格帯のROVの中では考えられなかった、高機動で安定した滑らかな動作を実現しています。自動で針路・深度を補正保持可能なため、水中の一定の場所に留まり調査を行うことが可能です。同クラスの商用ROVの中では、最も低価格にも関わらずハイエンドROVの機能を提供します。

BlueROV2 一覧

CCROV（販売終了モデル）

水中ROV市場で最小クラスの製品で、バックパックやスーツケースのどこにでも収納して持ち運べます。ユーザーフレンドリーな操作システムによって、リモコンやアプリで誰でも簡単に操作することができます。

小型ROVをご検討のお客さまには、すでに販売を終了した CCROV（208 x 204 x 158 mm）と比較して 383 × 331 × 143 mm とやや大きいですが、360度自由に操作・移動可能で最高速度は1.5 m/s、最長4時間の駆動時間を持ち、20万円を切る価格で導入しやすい水中ドローン FIFISH V6 がオススメです。

QYSEA FIFISH V6 水中ドローン詳細

ROV／水中ドローンをもっと詳しく知りたいなら

セキドでは、今回ご紹介した実証実験の他にも、水中ドローンなど新たな技術を積極的に取り入れ、様々な現場での点検作業の効率化と安全性の向上を追求しています。水中ドローンについてより詳しい情報や導入事例、実績などをお伝えする無料WEBセミナーも定期的に開催しています。お申込みや最新の開催情報は一覧ページをご確認ください。具体的な用途やご検討中の課題についてのお問い合わせにも対応いたしますので、水中ドローンによる業務をご検討中の皆さまはぜひ一度ご参加ください。